エンターテイメント日誌

2003年01月18日(土) 2003&4年 期待の映画たち

まず何といっても今年大いに期待しているのは以前からこのエンターテイメント日誌で再三取り上げている「呪怨」映画版である。最初に触れたのが昨年の8/30の日誌。どこのサイトよりも早かったという自負がある。今月末、いよいよ戦慄のロードショー。公開されるやいなや、日本中が話題騒然となりその強烈なキャラクター<伽梛子>や猫少年こと<俊雄>君は「リング」の貞子よりも有名になることは必至。既に世界数カ国での公開も決まり、「リング」のリメイク版を製作したハリウッドの映画会社ドリームワークスでは既に「呪怨」の社内試写を済ませ、版権を買い取るか目下検討中という。

公式ページはここだ!

次に期待するのは今年の夏公開が決まっている「呪怨2」(笑)<オイオイ、公開前からもう続編の製作決まっているの!?
主演はのりピーこと酒井法子。え?冗談だろうって?いやいや。

れっきとして動かぬ証拠はこれだ!

もう一本、日本映画から取り上げるなら「青の炎」かな。小説「黒い家」で日本ホラー小説大賞を授賞した貴志祐介氏の原作で、これは二度と取り返すことの出来ない燦々と輝く時を鮮やかにすくい取った、切ない青春犯罪小説である。僕は雑誌「このミステリーがすごい!」2000年版でこれが15位にランク・インされた時、興味を持ってハードカバーを購入したのだが、もうたちまち魅了され、最後は泣いた。現在では文庫版が発売されている。未読の者は兎に角直ちに読め!…ただその一言である。

ただ、原作は掛け値なしの傑作だったが映画版は出来損ないだった「黒い家」の前例もあるので、「青の炎」も心配。あややこと松浦亜弥が主人公の恋人役というのはイメージ的に似合っていると想う。ただし、松浦亜弥の演技力が未知数なので若干不安が残るが。一番気になるのが今回メガフォンを取る蜷川幸雄さんだ。舞台の演出では世界的名声を誇る巨匠だが、果たして映画監督としての力量は!?「魔性の夏 四谷怪談より」以来、映画監督としては21年ぶりという。前作の評判も余り芳しくないしなぁ・・・3/15公開。

さて、洋画では何といっても「シカゴ」である。衰退したミュージカル映画の復権なるか!?「ムーラン・ルージュ」がヒットし、既に全米公開された「シカゴ」も好評のようである。数日後に発表されるゴールデン・グローブ賞でも作品賞をはじめ、いくつかの部門での授賞の期待が高まる。実は舞台版「シカゴ」はウエストエンド(ロンドン)での公演と米ツアー・カンパニーが来日した時の東京公演を僕は観ている。とってもセクシーで危ない匂いのする粋な作品であった。ロブ・マーシャル監督はテレビ版「アニー」の出来がすこぶる良かったのでもう今から待ち遠しくて仕方ない。予告編を観たがキャサリン・ゼタ=ジョーンズの圧倒的歌唱力に完全にノック・アウトだ!リチャード・ギアも案外唄が上手いので驚いた。日本ではGWの公開予定とか。

「シカゴ」の情報はこちら

さらに注目すべきは中国のチャン・イーモウ監督の超大作「英雄(HERO)」である。一言で言うならば「始皇帝暗殺」(チェン・カイコー監督)の物語を「グリーン・デスティニー」(アン・リー監督)の手法で撮る作品と言えば分かり易いだろう。始皇帝暗殺を狙う三人の刺客を迎え撃つ一人の男(ジェット・リー)。その壮絶な闘いをワイヤーアクション(アクション監督は「少林サッカー」のチン・シウトン)をふんだんに盛り込んで描く作品らしい。チャン・イーモウは「紅いコーリャン」「菊豆」「紅夢」などコン・リーを主演とする古い中国の封建社会の戒律と葛藤するヒロインの悲劇を紅を基調とした鮮烈な色彩で描くシリーズから出発し、「秋菊の物語」や「あの子を探して」など田舎と都会の格差を描くことにより現代中国社会が抱える問題を告発する作品を経て、最近は「初恋の来た道」「至福の時」など、クローズアップを多用し如何にヒロインを可愛く撮るかに腐心したいわゆる<アイドル映画>路線を突き進んでいたのだが、新作「英雄」で新たな地平に立つ。「恋する惑星」「ブエノスアイレス」「花様年華」など、ウォン・カーワイ監督と長年組んでいた香港映画界きっての耽美派、クリストファー・ドイルが撮影監督として参加するのも要注目である。しかし、プロデューサーが「グリーン・デスティニー」のひとで、チャン・ツィイーも出るし、さらに音楽まで「グリーン・デスティニー」でオスカーを授賞したタン・ドゥンというのは如何なものだろう??

「英雄」は既に中国では昨年末に公開され、中国映画最大のヒット街道を驀進中。「タイタニック」が中国で打ち立てた興行成績を塗り替えるのも時間の問題だ。日本公開は今年の秋予定。

予告編Trailerも視聴出来る「英雄」の公式サイトはこちら

2004年に目を向けるとこれはもう「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」でしょう。今回監督に抜擢されたのはメキシコ人のアルフォンソ・キュアロン監督。昨年日本でも公開された彼の映画「天国の口、終わりの楽園。」は米国でも好評で沢山の映画賞で外国語映画賞を授賞している。アカデミー外国語映画賞も最有力候補である。キュアロンがハリウッドで撮った「リトル・プリンセス」「大いなる遺産」を観れば分かるのだが、彼は緑色という色彩にこだわる人である。北野武の<キタノ・ブルー>に対して<キュアロン・グリーン>と命名したいくらいだ。かれと長年コンビを組んできた撮影監督エマニュエル・ルベツキーも「アズカバンの囚人」で起用される模様。キュアロンはきっとこのシリーズに爽やかな新風を吹き込んでくれるだろう。ホグワーツ魔法学校が緑に包まれる日は近い。ただし、色々と細かい注文をつけてくる原作者と、この確立した自己スタイルを持つフィルムメーカーが衝突することなく上手く折り合っていけるかどうか、そこが一番心配の種である。撮影は2月17日から開始される予定と聞く。ちなみに新キャラクターのシリウス・ブラック役の有力候補はゲイリー・オールドマンとか。しかしリチャード・ハリス死亡にともなうダンブルドア校長役の後任は如何に!?

2004年で忘れちゃいけないのが宮崎駿監督の「ハウルの動く城」。当初の監督は細田守さんと発表されたのだが、結局宮崎さんが手がけることで落ち着いたらしい。ラピュタ以来の大冒険活劇、血わき肉躍る漫画映画になりそうで大いに楽しみだ。しかし、それよりもなにも目下のところ最優先課題は「千と千尋の神隠し」が米アカデミー賞でアニメーション賞を授賞することだろう。

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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]