東京の片隅から
目次|きのう|あした
帰宅途中、ふと視界の端を何かが横切る。暗くなってきているから鳥ではない。 視点を頭上の電線に合わせると、そこにはネズミ。尾を電線に巻き付けて、器用にわたっていく。 ドブネズミと違い、体も小さく、高所も登ることで、最近家屋やビルに出るネズミはほとんどクマネズミとなっているはずだ。 そういえばこんなこともあった、と思い出したことが一つ。
実家がある場所は、新宿とは言っても下町的であり、木造家屋が多かったので(風呂なしトイレ共同アパートとか普通にあった)、バブル期の地上げ騒動で近所が更地になる度にネズミが移動してきて天井裏で大騒ぎするわ食物をあさるわでずいぶん対応に苦慮したのだが、卒論執筆中のある晩、下書きを床に散らかしたまま寝ている私の枕元でかさこそと音が。てっきりゴキブリかなにかだと思い、瞬間的に飛び起きて明かりをつけると、そこにはショックでフリーズしたクマネズミ。10秒くらいのにらみ合いのあと、彼は戸袋の隙間にダッシュで逃げていったが、髪の毛の上をこそこそと歩かれた私も翌朝髪を洗ったのは言うまでもなかった。 最近は地上げすらなくなったので、ネズミも現れないらしい。
|