東京の片隅から
目次|きのう|あした
結局昨日は夕食を食べてそのまま寝てしまった。
いつものように病院に行く。様子を見るために母乳を一時停止してみているとのこと。大事ではないようだ。健太は私が先生と話をしているときは眼を開けていたそうだが、話が終わってから呼びかけても眼を開けない。寝たふりか。先生の声は毎日聞いているが、私の声は時々しか聞かないので、看護婦さんの一人だと思われているのかもしれない。
父の依頼で五角形の箸をインターネットで調べる。テレビで見たのだという。今使っている箸が気に入らなくなってきたらしい。調べたらあっさり出てきた。東京の大黒屋という店だ。仕事で近くにいったらついでに買ってくるつもりのようなので、住所等メモして渡す。 父の箸というと、我が家では「黒くて重くて硬い箸」である。祖父もそうだった。水に沈むような重い箸はちょっと怖い父の象徴である。子供の頃は食事のときにちゃぶだいで隣に座らされ、箸使いやマナーが悪いと箸の根元で頭を小突かれる、そんな食事風景であった。もちろん好き嫌いなど言おうものなら有無を言わせず冬でもはだしで表にほっぽりだされる。私の中では日常の風景だったのだが、大人になってからいろいろな人に聞いてみると、どうも一般的にはそうではないらしく、かなり退かれる。だからといって怒られた記憶ばかりではなく、ちょこちょこと街中へ連れて行ってもらった記憶もある。いつから父の箸が怖くなくなったんだろうなぁ、と思う。
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