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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2003年01月09日(木) --

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『魔女ファミリー』

猫やのお客さまからの推薦本。

1974年に『ガラス山の魔女たち』というタイトルで 刊行され、長く絶版になっていたが、新訳・新版元で 2002年に復刊されている。 新しいタイトルは、原題の「THE WITCH FAMILY」に より近いものになった。

ちょうど猫やの掲示板でこの本が懐かしいと話題になった折、 復刊されたのがわかり、手に入れた。 私にとっては初めての、魔女たちとの対面である。

ガラス山に住んでいるのは、魔女のかしらの、魔女ばあさん。 つるつるしたガラスだけしかない山のてっぺんに、 魔女ばあさんを追服(つまり追放と征服をひとつにした言葉)したのは、 公園通りに住む7歳の女の子、エイミー。 ただ、エイミーが、「そこへ行け!」と念じただけで、 魔女ばあさんは、ハロウィンの日だけしか下界へ降りられなく なってしまった!

そう、この物語のすべては、 主人公のエイミーと、その仲よしのクラリッサが 遊びながら空想し、絵に描いた世界のなかにある。

エイミーの空想こそが、魔法となってはたらき、 魔女ばあさんに魔女家族をもたらし、 悪さをしないよう監視するマルハナバチを はべらせたりするのだった。

何かの「つもり」、その空想遊びの最も深い醍醐味は、 現実と空想の区別がつかなくなって、 本当のこわさや、本当の楽しさを その夢の世界で味わうことなのかもしれない。 それは、ほどほど、ということができないと踏み外すし、 ほどほどにしすぎると面白くなくなってしまうから。

魔女ばあさんに狙われる、ぬりえ畑のイースターうさぎたちの ユニークな闘い方は、私の記憶のどこかにひっかかっているが、 それが忘れてしまった昔にこの本で出会ったものだったのか、 他のぬいぐるみが出てくる本のなかでだったのか、 わからないのが残念。

最後の章は、浮かれ騒ぐハロウィンの夜で終わる。 そこでエイミーはどんな体験をするのだろうか? それは読んでのお楽しみ。 黒猫、ほうき、魔女の学校に人魚まで登場する 魔法と発想に満ちた本をうみだしたエイミー、 彼女の金髪は、魔女の黒ずくめルックに、 よく似合いそうだ。 (マーズ)


『魔女ファミリー』 著者:エレナー・エスティス / 絵:エドワード・アーディゾーニ / 訳:井上富雄 / 出版社:瑞雲舎

2002年01月09日(水) 『青い瞳』
2001年01月09日(火) 『キリンと暮らす、クジラと眠る』

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