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夢の図書館新館

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-- 2002年01月30日(水) --

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『草原のサラ』

『のっぽのサラ』シリーズの第2作。 メイン州の緑したたる海辺の町から、 大草原のまんなかで暮らす農夫の妻になるために、 のっぽであまり器量のよくない、けれどやさしいサラは ひとりでやってきました。 たった、ひとりで。

原題は『Skylark』、ヒバリ。 サラのことをたとえたタイトルです。 空で高らかに歌うヒバリが地面に降りるのは、 巣をつくるため。 そのサラの決意が試される、第2作です。

姉のアンナと幼い弟のケイレブ、パパとサラの4人家族。 サラがパパと結婚することになったのは、 パパがお嫁さん募集の広告を出したから。 アメリカでは、離れた場所にいても そうした広告を見て、手紙や写真を交わして、 それで夫婦になるということが、けっこうあったんですね。 (今もパートナー募集の個人広告って多いようだし) うまくいった結婚も、いかなかった結婚も あったのでしょうけど。 なんだか、そんなあっけないほど簡単な結婚を、 主人公たちは選ぶのです。 サラは、パパの手紙を読んで、 気持ちを決めたのだそうです。

この新しい家族をおそうのは、干ばつの苦しみ。 来る日も来る日も、雨を待ち望む日々。 もしも、ずうっと雨が降らなくて、井戸が枯れてしまったら 家族は、サラの新しい家庭は、どうなってしまうのでしょう?

作者のマクラクランは、追い詰められた農場の現実と 家族の状態を刻々と描きながら、 パートナーを信じ、思いやることで絆を深める 愛の姿を、淡々とやさしく描いてゆきます。

以前私が見たアメリカのTV映画「潮風のサラ」は、 このシリーズが原作だったのだと、読んでわかりました。 あの、グレン・クローズとルトガー・ハウアーが ホームドラマの夫婦という、不思議なキャストにも 納得がいったりして。 (マーズ)


『草原のサラ』 著者:パトリシア・マクラクラン / 訳:こだまともこ / 絵:中村悦子 / 出版社:徳間書店

2001年01月30日(火) 『黒い仏』

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