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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2001年12月04日(火) --

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『不眠症』

この世界に起こる現象の裏には、 私たちの知性や言葉では感知できないような 世界の仕組みが息づいていて。

あちらの世界(複数)とこの世界は 鏡のように関連づけられていて、 この世界で起こる災害や犯罪の本当の原因は あちらの世界のゆがみや闘争にあるのではないかとか、 そういったことを推測するのは人間の性だろうか。 私も、そういうことが好きな人間のひとりである。

そして、世界をつなぎとめるために 見えざる存在が、いかなる苦闘を演じているか、 私たちひとりひとりの人生を 守ったり、助けたり、損なったり、それぞれの役割を果たしながら 自由意志のもとに生きていく私たちのそばにいて、 表向き感謝されることもなく奮闘していることを ときどき、想う。

そういうスリリングでファンタスティックな娯楽映画が 見たいと、ずっと思っていた。 この本はそういった世界観を、リアルにかいま見せてくれる。 キングが執筆に3年余りを費やした重みが、 もっと言えばここにいたるまでの人生観が、枝を伸ばし、 葉を繁らせ、花が咲いている横で豊かに実っている。

しかし、『不眠症』は映画化されない。 予言のように埋め込まれた事件のせいだ。

舞台はメイン州デリーの町。 主人公は妻に先立たれた70歳のラルフ・ロバーツ。 同じく夫を亡くしたロイス・チャース。 どちらも、ハリス大通りぽんこつ同盟のメンバーだった。

ラルフは耐えがたい不眠症に陥り、極限状況で 人間や動物、世界にあふれているオーラを見ることが できるようになる。

そして、二人の医者を目撃したことから、 人の死の真実を、おぼろげながら知ることになる。 「意図」の世界と、「偶然」の世界。 人の死には、そのどちらかが関わっていることを。

--その2へ続く--(マーズ)


『不眠症』(上・下) 著者:スティーヴン・キング / 訳:芝山幹郎 / 出版社:文藝春秋

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