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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2001年09月24日(月) --

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『ハロウィーンの魔法』

ハロウィーンの夜は、不思議の夜。

スコットランドのミヌーク村で暮らす 少女セリーナの一家と、村のがんこ者、マックじいさんの物語。 人間にはきらわれ者のマックじいさんだが、 レディという村いちばんの犬を飼っている。

お姉さんのマフェットと主人公のセリーナは、 おこづかいやアルバイトをしたお金で、 それぞれのポニーを買った。

セリーナの選んだポニーは、黒いハギス。 さめたようなハギス(スコットランドの伝統料理)色をしている。 この、ハズレじゃない?と姉に言われるポニーと いっしょに、セリーナはマックじいさんのドラムララ農場へ 入り込んでしまい、じいさんと「言い合う」仲になってゆく。 どうも、マックじいさんは動物とだけはうまく話ができるようだ。 セリーナの数少ないともだち、やせっぽちのティム少年も やがてドラムララ農場の常連になる。 ここに通うのはセリーナの秘密だった。

そうするうちに、さまざまな事件が起こり、 ついには村じゅうを巻き込んで、村八分の対立すら起こる。 そして、ハロウィーンの夜、クライマックスが。

セリーナは、赤いコートに大好きなローズピンクの とんがり帽子をかぶり、姉にからかわれつつも、 よい魔女の扮装をした。 マフェットは黒装束のコウモリに変身。

セリーナは近所の家をたずねて、果物やお菓子、ナッツをたくさんもらう。 そのあとで、なんと、生まれてからハロウィーンのお祭りを したことがないというマックじいさんにあげるお手製の タフィーアップルまでバスケットにつめて、 ハギスと一緒にでかけてゆくのだった。

この村でのハロウィーンは、アメリカでおなじみのとは 少しちがう。なんといっても、カボチャでなくカブを ランタンに使っている。きっと恐いランタンができるだろう。 魔女や魔法使いに会えるという古い歌も残っている。

小さな村を舞台に、セリーヌやマックじいさんにとっては 生活を揺るがすような出来事が続くのだけど、 淡々とした描写はここちよく、秋の空気に満ちている。 その、ハロウィーンの期待に満ちた秋の空気を毎年吸って、 子どもたちは大人になってゆくのだ。

物語の始まりは、ハロウィーン。 そして終わりも、ハロウィーン。(マーズ)


『ハロウィーンの魔法』 著者:ルーマ・ゴッデン / 訳:渡辺南都子 / 絵:堀川理万子 / 出版社:偕成社

2000年09月24日(日) 『公主帰還』

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