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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2001年02月10日(土) --

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『夏草の記憶』

小さな田舎町で人々の人望を集める男性が、 三十年以上抱え込んで来た少年時代の暗い体験を 日常生活の中で時に静かに、時に狂おしく回想する。 やがて過去の悲劇の秘められた姿が 私達の前に明らかになる── 日本では「記憶シリーズ」と呼ばれる、 海外ミステリランキングで毎回上位を占める 実力派トマス・H・クックの得意の手法です。

そしてこの作品のテーマは永遠不変の物語、 輝かしく苦いハイスクールの恋。 高校生が車で通学している点と ストーリー上重要な、ある社会問題を除けば 日本のどこの小さな町にでもありそうなお話です。 このほとんど典型的と言えるストーリーに 毎度お馴染みの手法を用いてるにもかかわらず、 というより──その普遍性こそがこの作品の評価を 一層高めているとも言えます。 学園生活の陰影から、現在も過去の事件の影を引きずる かっての同窓生達の人生までをしっかりと絡めて、 更に所々に罠を仕掛けてある、やはりそこが手練の技。

何冊かの本を同時進行で読む「ながら読み」型の私は 本当はじっくり腰を据えて読みすすめるタイプの本は 苦手なのですが、クックは私が住んでいた事のある アラバマ州出身なので、どこにでもありそうで でもやっぱりいかにもアラバマらしい描写も 個人的に楽しめる要素です。 この作品で主人公達が訪れる、 ガズデンの街に入る手前のショッピングモールって、 今アウトレットモールになってるところかな、 あそこでラルフローレンの服とロイヤルダルトンの ディナーセットを山の様に買ったっけ、 安かったからもっと買ってくればよかったなあ‥‥とか、 これは本編とは関係ない、私の、記憶。(ナルシア)


『夏草の記憶』著者:トマス・H・クック / 出版社:文春文庫

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