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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2000年12月11日(月) --

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☆ ムーミンとわたし

小学校の図書室には、なぜだかムーミンのマンガがあった。 でもそれは、TVアニメのムーミンとは違い、 小学生にとっては、シリアスな代物で、 おまけに、なんとなく、グロテスクな印象のマンガだった。

大人になってから、 そのマンガが懐かしくなり探してみたが、 絵本やアニメマンガならばあったが、 図書館で見た、色あせた記憶の中の、あの本は見つからなかった。 トーベ・ヤンソンの小説(あるいムーミンの原作)のあとがきに、 新聞紙上で弟と共作で、大人向きのムーミンのマンガを連載していた という事を書いてあるのを読んで、 やっと初めて、 あの頃自分の読んだもの、探していたものが分かったのだが、 それでも、その本自体を見つけることはできなかった。 よっぽど、卒業した小学校に聞きに行こうかと思い迷っている間に、 随分と時間は流れ、そのチャンスさえも失っていた。

今年の夏に、どうやらその本が、出版されたらしい。 こどもの頃読んだそれは、ハードカバーで、 サイズも普通の小説と同じサイズで、マンガのコマ自体も縦組みだった。 新しく出版されたそれは、大判で、コマも横組みで、 随分と立派な本になっている。まるで別の本のようで。 もう、思い出の中の、ざらっとした質感の本ではない。 嬉しいのだけれど、記憶とはかなり違っている。 ふと。 あの本ではなくて、想い出ではなくて、 あの頃の時間そのものを取り戻したいとでも思っていたのだろうか。

もともと、ムーミンの世界は、 何とも言えないせつなさ、悲しさに満ちている。 これも、単に、個人的な記憶がそう思わせるのか。 ムーミンのパペットアニメーションを見たとき、 もう、その時は大人になっていたけれど、 とても悲しくて、悲しくて、 それを見るたびに、わけもなく、 落ち着かない気持ちになってしまうので、 結局、ほとんど、放送を見ることはなかった。

待ちに待ったはずの、 ムーミン・コミックスだが、楽しみに思いながらも、 ほとんど見ることができなかったパペット・アニメーションのように、 ずっと読み返したかったのに、未だ買うことができないでいる。

でもまあ。
そろそろ、サンタクロースにでも頼んでもいいのかもしれない。(シィアル)


『ム−ミン・コミックス』  著者:ト−ベ・ヤンソン / ラルス・ヤンソン / 出版社:筑摩書房
 第1巻 「黄金のしっぽ」
 第2巻 「あこがれの遠い土地」
 第3巻 「ム−ミン、海へいく」
 第4巻 「恋するム−ミン」
 第5巻 「ム−ミン谷のクリスマス」

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