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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2000年12月09日(土) --

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『ミミズクとオリーブ』

芦原すなおさんです。 あの「青春デンデケデケデケ」の。

45才の作家の僕が朝起きてなんとなくごそごそして 原稿も書けないうちに時間はどんどん過ぎ去って 晩ご飯はなにかなー、と今日も終って。 ‥‥と、こうして何にもなくてもそれだけで もう十分面白いという、これは芦原さんならではの 語りの上手さですが、そこに友人がやってきて 奥さんが実に美味しそうな讃岐の郷土料理を並べる。 そのほっとするような料理の描写だけでも 読んだ甲斐があるというもので、 私は解説の加納朋子さんと同じく文中に出て来る 「カマスのさつま」を実際に作って賞味してしまいました。 お酒のあととか寒い日のお昼とかにいいですねえ。 ‥‥と、それだけじゃない。しかもそのうえ 警官である友人の持ち込む話は不思議な事件で、 奥さんはその話を聞いただけで謎をみんな解いてしまう。

なんと芦原さん、ミステリを書いていたのです。 ミステリ的には驚天動地の大トリック、 息詰まるサスペンス──などは特にないのですが、 創元推理の一連の心暖まるミステリ群に また一人お友達になりたい名探偵登場。

タイトルの『ミミズクとオリーブ』は 八王子の奥の古い日本家屋の庭に植えたオリーブに (ほら讃岐の人だから小豆島のオリーブ) なついたミミズクが山から飛んで来て 和服に割烹着の奥さんに餌を貰う。 その光景が、ギリシャ神話の知の女神アテナの 肖像のようだから。(ナルシア)


『ミミズクとオリーブ』 著者:芦原すなお / 出版社:創元推理文庫

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