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   。Я毒中字活
   2005年08月29日(月)


■天才とバカの間


北野武編集 コマネチ!(別冊新潮45)
「松本人志+ビートたけし対談より」

松本:僕は小学校から漫才一本でやってきました。 それは漫才一筋なんて、そんな格好のいいものじゃなくて、ただの負けず嫌いなんです。 自分が負けそうにない事というと、お笑いしかない。 しかし、今は一般人にこっちから合わさんといかんような状況になってきてるじゃないですか。 でも、絶対に違うんです。 一般の人がいま興味あるものは、ブランドものとか、海外旅行とか、そういうのが自分らのランキングの上位に入ってきている人たちに、僕の笑いを評価されるのは辛い。 じゃ、テレビで仕事するなという話なるんです。 今そういう状態なんです。

たけし:おれは負けず嫌いじゃなくって勝たず嫌いだから。(笑) 結局テレビというのは自分にとっては、松本さんと反対方にいて、どうでもいい、評価されなくてもいい、というところへ行っている。 その代わり金はもらう。

松本:僕もその考え方にしようかなと思ったんです。 アホなふりして、だまされたふりして、金だけぶんどって。 それは思ったんですけど、まだそこまでは開き直れない。

たけし:それはまだやることいっぱいお笑いに残っていると思っているからだな。 おれは35歳ぐらいから、記憶力とアドリブがグーっと落ちた。 有森って言わなきゃいけないのが、オリンピックのあの、自分をほめたいとか思ってるヤツ、何ていうの、あの・・・ ・・・とか言ってももう遅い。 瞬発力が一回プッンとなくなる、その時期が35から45くらいの間に一回あるんだよね。

松本:ああ、そうですか。

たけし:必ず来るよ。(笑) あのショックは海外旅行のあくる日のチンポコの痛みみたいなもんで、来たァと思う。】






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この文章は、たけしさんが『HANA−BI』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞記念したのをキッカケに作られた冊子の目玉企画として行われた対談の一部なので、もう6〜7年前の事になります。

なんやかんや言いながらも、この私。 昭和と平成を股に掛け、この二人に思いっきり影響うけたわけですよ。

勉強ができるとか、スポーツが得意だとかいう理由で評価されたりモテたりした奴が多かった学生時代に「一番頭が良くてカッコイイ奴は、笑いが取れる奴」を信じて青春時代を送ってきました。
おかげで、自分のセンスを信じるあまり周囲を置いてけぼりにしつつわれの世界にひた走ったこともありました。

そんな二人の対談には、自分の理想と置かれている現実が如実に現れている気がしてなりません。

現在の自分は、この時のたけしさんより10歳以上年下で、松本さんより少し年上ということになります。
なんか、今でも仕事上で「負けず嫌い」っぽいところのある自分にとって「勝たず嫌い」という考えには馴染めない部分があります。

ただ、しかし。  仕事(職場)を自分の思ういい形にしていこうと思うのなら、唇噛締めてでも「勝たず嫌い」を演じなくてはいけないのかなぁ〜なんて思ってしまいます。















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そしてですね。

最近、リアルに自覚してるんですが。

ここ1〜2年、アドリブがグーっと落ちてたりするんですよ。

たとえば「若人あきら」って言わないといけないのに  「ほら、眉毛が太くて。 昔モノマネやってた人。 えーっと、海行って記憶なくしちゃった人・・・ ・・・」

(違うよ! それ、タコ八郎だし!!)

「ハウルでカルシファーの声やってた人、アレ・・・ ・・・なんてったっけ。  今、我集院達也の・・・」  とか言ってんですよ。

ひどい話ですよね。
郷ひろみ抜きで、ここまで的確に表現しているにも関わらず「若人あきら」が出てこないんですから。

本当、たけしさんの言うとおりですね。  なんか、悲しいです。























おまけに。 何故にあの時「若人あきら」って
言いたかったのかすら覚えてないんですから。

もう、哀しすぎて涙も出ませんって。









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