今日は何とか目を覚まさずに寝ることが出来た。 ただ、最初に寝付くまでが大変だった。 それは精神的なものではない。 嫁ブーの寝相だ。 ようやく心地よくなった頃に、嫁ブーの足がぼくの布団の上にドサッと乗ってきたのだ。 それでまた眠れなくなった。 しばらくしてまた眠気が差してきた頃だった。 今度は嫁ブーがこちらに体を向け、イビキをかき始めたのだ。 この女のイビキは強烈で、過去にも何度か睡眠を侵害されている。
このマンションに越してきた頃の話だが、ベッドを買い込んで6畳の洋間に置いた。 そのベッドで初めて寝た夜のことだった。 「ゴロゴロゴロ」と、突然カミナリのような大音響が聞こえてきた。 ぼくはビックリして飛び起き、あたりを見回してみた。 すると、嫁ブーがこちらにアホ面を向けてイビキをかいていたのだ。 Wベッドだから、布団を敷いて寝るよりも、二人の距離は近い。 その音響たるや、すごいものがあった。
翌日も同じ目にあった。 何日間か寝不足が続いたぼくは頭に来て、嫁ブーに、 「おい、これから和室で寝ようや」と言った。 「ベッドは寝にくいと?」 「おう、大変寝にくい」 ということで、その日ぼくと嫁ブーは和室で寝るようにした。 イビキは相変わらずだったが、嫁ブーと距離を置いたので、大音響も少しは緩和された。 それ以来、ぼくの家ではベッドを使わないようになったのだった。
さて、ここに来てまたイビキである。 これを打開するには、現在使ってないベッドを活用するしかない。 だが、ベッドは腰が痛くなるから嫌だ。 いっそ、嫁ブーだけベッドに寝させることにするか。 いくら大音響の嫁ブーのイビキといえども、洋室から和室までは届かないだろう。
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