宗像大社に行ってきた。 毎月1日と15日に行くようにしているのだが、ここ最近はさぼっていたので久しぶりの参拝となった。 その宗像大社では今日から菊花大会をやっていた。 だが、ぼくはそういうことに興味がないので、長居せず、自分勝手なお願いだけして帰った。
その帰りのことである。 参道の池に鯉がいるのだが、そこで子どもたちが餌をやっていた。 餌を投げると、そこに大量の鯉が「カッポ、カッポ」という音を立てて群がってくる。 そういう風景をしばらく眺めていたのだが、鯉というのはその模様の優雅さに似合わず、実に意地汚い生き物だという感じがした。
尾ひれで近くにいる鯉をはねのけて餌を採ろうとするし、餌に届かない位置にいる鯉は、飛び跳ねて、餌付近にいる鯉に体当たりして餌を横取りしようとしているのだ。 その池には鯉だけではなく亀もいるのだが、鯉はその亀を尾ひれで追い払い、決して餌場に近づけようとはしない。 まあ、そういった姿が自然の本来の姿だと言ってしまえばそれまでだが、見ていてあまりいい気持ちはしなかった。
鯉といえば、由布院で見た鯉はすごかった。 決して狭いとは言えない池で飼育していたのだが、池の隙間が見えないほども鯉がいたのだ。 餌を与えると、鯉は一斉に暴れ出し、水しぶきがかかる。 異臭がしていたし、気分が悪くなったものだ。
やはり鯉を見るなら、澄んだ川や水路を少数で優雅に泳いでいる姿を見るほうがいい。 そうやって見せている観光地には魅力を感じるものだ。 水の清らかさもアピールできるので、いい印象を与える。 津和野や島原はそういうところだった。 津和野は和紙作り、島原は水の良さをアピールするために、鯉が効果的に使われているわけだ。
ただ、実際は、鯉は汚い水の中でも生息するというから、水のきれいでないところが『鯉の里』などと言って売りだそうとすると、返って逆効果になるらしい。 そういえば、どぶ川で錦鯉が泳いでいるのを見たことがあるが、なるほどいい印象は受けなかった。
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