ぼくが猫好きであることは、この日記にも何度か書いたことがある。 とにかく猫を見つけると、思わず「チ、チ、チ」と舌を鳴らして呼んでしまう。 猫嫌いの嫁ブーはそれを聞くと、すぐに「呼びなさんな。来たらどうするんね」と言う。 だが、近寄ってくる猫はまれで、ほとんどの猫は立ち止まって振り向きはするものの、あとは知らん顔して去っていく。
先月だったか、嫁ブーと街を歩いていると、一匹の黒猫が道ばたに座っていた。 例のごとくぼくが舌を鳴らして呼ぶと、「ニャー」と言いながらノコノコとこちらに向かってきた。 すると嫁ブーは「キャー」と言って走って逃げた。 ぼくは何人かの猫嫌いを知っているが、走って逃げるのは嫁ブーぐらいだ。 嫁ブーは猫嫌いというより、猫恐怖症なのだろう。
しかし、何で猫が恐いのだろうか? まあ、こういう恐怖症というのは、幼児体験の影響が大きいと言うが、嫁ブーの場合は、猫から被害に遭ったような経験はないらしいから、それが当てはまらない。 そこでぼくは、それを前世と結びつけている。 嫁ブーの顔は鳥に似ているのだが、おそらく前世は鳥そのものだったのだろう。 だから、猫が恐いのだ。
例えば、下のような写真を見ても怖がるのだから、よほど猫が恐いのだろう。

そういえば、7月に嫁ブーと食事に行った時に、食事の途中で嫁ブーが急にソワソワしだしたことがある。 「どうしたんか?」と聞くと、嫁ブーは「あれ」と言って、ぼくの後ろを指さした。

これが「あれ」である。 その店の飼い猫が、イスの上で気持ちよく寝ていたのだ。 嫁ブーはこれを見てから、まったく食事に手を付けなくなった。 そして、ぼくに「先に出とくけ」と言って、さっさと店を出ていったのだった。
こんなにかわいい猫の、どこがどう恐いのだろうか? 猫好きのぼくには、それがわからない。
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