(1) ぼくの部屋には数十枚のLP盤と数枚のEP盤がある。 そのほとんどが70年代及び80年代前半に買い集めた物である。 ジャンルはというと、圧倒的にフォークやロックものが多く、歌謡曲などは1枚もない。 レコードプレーヤーがあるので、聴こうと思えば聴けるのだが、レコードは扱いが面倒だし、そのほとんどをCDで持っているため、今はほとんど聴くことはない。
この中には、そこそこの値で売れるものもあるかもしれない。 だが、レコードの状態が良くないので、おそらく額面通りには売れないだろう。 なぜ良くないのかというと、必死にクリーニングをやっていたからである。 いたのだが、どうもノイズが気にかかる。
今でこそ、レコードはノイズがあるからいいなどと言われているが、その頃のぼくは、いい音でカセットテープに録音しようとしていたので、ノイズはタブーだった。 そのために、普通にスプレーとクリーナーでクリーニングするのではなく、中性洗剤で洗い、陰干ししていたものだ。 しかし、洗い方が下手だったので、ラベルの部分が濡れてしまい、ふやけたり、破れたりしている。 実家にまだ何枚かSP盤が残っているのだが、ぼくの持っているLP盤やEP盤と比べると、そちらのほうがレコードとしての見た目はきれいなのである。
(2) レコード盤というのは、33(1/3)回転のLP盤、45回転のEP盤、78回転のSP盤、一般的にはこの三種類だったが、ぼくの記憶の中にもう一つの回転数がある。 それは16回転である。 これを何盤というのかは知らないが、祖父が持っていた浪曲のレコ−ド盤はこの回転数だった。 昭和40年代中頃まで家で活躍していた電蓄には、この回転数の切り替えがついていたので聴くことが出来た。 しかし、その後買った電蓄には、33回転と45回転と78回転しかついておらず、そのため浪曲のレコードは聴くことができなくなった。
現在実家に16回転のレコ−ド盤が残ってないのは、おそらく母が「聴けないものを置いていても邪魔になるだけ」という理由で捨てたからだと思うが、考えてみると、16回転のレコード盤というのは、ある意味78回転のSP盤よりも価値があったのではないだろうか? それを考えると、惜しい気がする。
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