| 2006年10月05日(木) |
今回の退職のこと(表) |
そういえば、ぼくが何で会社を辞めたのかを、書いてなかったような気がする。 直接の原因は、ぼくの居場所であった家電部門を会社が撤退したことにあった。 元々、家電販売のキャリアを活かせる場所として選んだ会社だったから、その部署がなくなれば、ぼくにとっては存在する価値のない会社となるわけだ。 また、会社としては、家電以外の経験がない人間は、必要のない人間ということになる。
そういうわけで、会社側と何度か話し合いをした。 まず会社側が伝えてきたのは、「君の力を活かせるような部署に配属させたいのだけど、どういう部門が自分に向いていると思うか?」ということだった。 だが、いくら考えても、家電しかやったことのないぼくには、どんな部門が自分に向いているかなどわからない。 そこで「考えておきます」と答えておいた。
だが、いくら真剣に考えても答なんか出なてこない。 だいたい家電がないのなら、もう販売などしたくない。 確かに会社は小売業なのだが、スーパーなので、家電のような接客販売はしない。 接客のない販売なんて、ぼくは考えられない。
そこで、次の話し合いの時に、ぼくは「どこかの電気店に出向させてください」と訴えた。 その時対応した課長は「出向ねぇ…」と難しそうな顔をした。 「出来ないんですか?」 「うーん…、わかった、探してみる」 ということで、二回目の話し合いは終わった。
最後の話し合いは、部長とだった。 部長は開口一番「ここにいても、君の能力は発揮できない。せっかく家電やってきたんだから、そういうところを探したらどうか?」と、ぼくに転職を勧めたのだった。 そこでぼくは「転職も考えているんですけど、それよりも出向のほうがいいです。前に課長にそのことを頼んでおいたんですが、見つかってないんですか?」と聞いてみた。 部長はそのことを聞いてなかったようだったが、「出向を受け入れてくれるところはない」と答えた。 それならということで、「転職先を探してください」とぼくは言った。 部長はそれを聞いて、不機嫌そうな顔をした。 話し合いは、それで終わった。
結局ぼくは3ヶ月間の期限付きで、会社内で閑職と言われている倉庫業務に回された。 倉庫は基本的に休みが多く、また残業もないので、時間だけは充分に取れる。 おそらくこの異動は、「3ヶ月時間をやるから、転職先を探せ」という意味の異動だったのだろう。
しかし、このご時世、この年で就職口など簡単に見つかるわけがない。 とはいうものの、3ヶ月経って、休みが少なく毎日10時間以上の労働を強いられる部署に回された場合、いよいよ動きが取れなくなる。 そこで期限が切れる前に、ぼくは会社に「辞めます」と伝えたのだった。
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