(1) ひと頃ジンジャーエールばかり飲んでいた時期があった。 さほど甘くなく、ショウガが入っているので、体にいいだろうと思って飲んでいたのだが、最近は飲むことがなくなった。 別に嫌いになったわけではない。 縁遠くなったのだ。
以前、そういった炭酸飲料は、会社に置いてある自動販売機で買って飲んでいた。 自販機はトイレの横に設置していたため、わざわざそこに出向かなくても、トイレに行ったついでに買うので面倒がなかったのだ。 ところが、会社を辞めてからは、そういう自販機を利用しなくなった。 わざわざそのためだけに外出するのが面倒だからだ。
とはいうものの、炭酸飲料を飲まなくなったわけではない。 ちゃんと買い置きしているのだ。 しかし、それは缶ではない。 2リットルとか1.5リットルとかのペットボトルである。 缶だと場所をとるし、不経済だからだ。
で、何を飲んでいるのかというと、最初の頃は会社時代の流れでジンジャーエールを買っていた。 ところが、ペットボトルのジンジャーは、缶と比べると炭酸の利きが弱く感じる。 そのため、甘ったるく感じるのだ。 きっと炭酸が利かないために、ショウガの味が前面に出てしまい、それが変な甘さをかもし出しているのだろう。
ということで、今はジンジャーエールではなく、三ツ矢サイダーを飲んでいる。 ペットボトルのため、これだって炭酸の利きは弱い。 だが、余計なものが入ってないので、その分甘さがストレートなのだ。 つまり、ちょっと炭酸の利いた砂糖水という感じなのである。 ま、
(2) しかし、ジンジャーエールや三ツ矢サイダーに限らず最近の炭酸飲料は、どうして炭酸の利きが悪くなったのだろうか? ペットボトルだけではない。 ビン・缶だって利きが悪い。 かつての炭酸飲料は、ゲップをしたあとに鼻の奥が痛くなるほど、炭酸が利いていたものだ。 その痛みが快感で、ぼくは炭酸飲料を飲んでいたのだ。
ところが、ある時期から、そういうことがなくなった。 その「ある時期」というのを、自分の経験の中から探している。 だが、どうも見つからない。 人工甘味料が使われなくなった時期からと言われれば、そういう気もするし、ビンから缶やペットボトルに変わった時期からと言われれば、そういう気もする。 もしかしたら、80年代、世の中が子どもに対して過保護になった時期と重なるのかもしれない。 いずれにせよ、ある時期から、メーカーが意図的に炭酸を減らしたことは確かだろう。
そういえば、前にコカコーラ・クラシックなるものが発売された。 その時、ぼくはあの痛い炭酸が蘇ったのかと思い、飲んでみた。 だが、鼻の奥が痛くなるほどには炭酸は利いてなかった。 もしかしたら、大人になったから、利かなくなったのだろうか? いや、そうではない。 やはりここでも炭酸の量を減らしていたのだと思うが、もしそうであれば、クラシックではない。
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