今日の昼食も外食だった。 今日は嫁ブーが休みだったので、ドライブがてら二人で食べに行ったのだ。 が、入った店は、ごく近くの居酒屋だった。 もちろん酒は飲んでいない。 そこのランチがおいしくて有名だというので、行ってみたのだ。
なるほど噂どおりの味だった。 日替わり定食を食べたのだが、まず吸った味噌汁で、おいしい店だとうことがわかった。 味噌にこだわりを持っている店というのは、全体的に味がいいものだ。 どこの味噌か聞くのを忘れたが、近辺の味噌でないのは確かだ。
以前行った店の味噌汁がえらくおいしかったので、どこの味噌を使っているか聞いたことがある。 「この味噌汁おいしいですね」 「そうでしょ。味噌がいいんですよ」 「味噌か…。W味噌(地場の味噌)とかじゃないでしょ?」 「ええ違います。うちは田川の味噌を使ってるんですよ」 ということだった。
今日入った店も、似た味がしていたので、おそらく同じところの味噌を使っているのだろう。 そこで、味噌の銘柄を聞いてみようと思った。 ところが、その店の店主は、いささか頑固者臭いのだ。 そのため、銘柄を聞くのはやめた。
なぜ聞くのをやめたのかというと、過去にこんなことがあったのだ。 高校時代に、お好み焼きのソースがえらくおいしい店があったので、軽い気持ちで「どこのソースを使ってるんですか?」と聞いたことがある。 ところが、店主はぼくを同業者の息子とでも思ったのか、急に怪訝な顔をしたのだ。 その次に行った時も、店主はぼくの顔を見るとやはり怪訝な顔をした。 結局その店に行きづらくなり、以来二度と行かなかった。 それ以来、店でそういうことを聞くのを躊躇するようになったというわけだ。
そういう苦い思い出があるため、今日も味噌の銘柄を聞くことが出来なかった。 案外、簡単に教えてくれたかもしれないが、心に残っている傷がそれをさせなかったのだ。 しかし、聞かないことには、永遠にその味噌を手に入れることは出来ないだろう。
しかし、お好み焼きのソースは、意外なところから知ることが出来た。 社会に出てからのことだった。 家でお好み焼きを作った時に、母が「このソース、最近発売されたんやけど、使ってみる?」と言われ使ってみたら、何と高校時代に行った店で食べた味と同じだったのだ。 そのソースというのは、あの「おたふくソース」である。
まあ、そういうこともあるので、ひょんなことから手に入れることが出来るかもしれない。 要は、「手に入れたい」と強く思って、諦めないことだ。
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