| 2006年09月09日(土) |
夢見るバカ(6月21日夢見頃より) |
ぼくは、自己紹介を書くのはあまり好きではない。 うまく自分を言い表せないからだ。 しかし、どのブログでも、それは必須になっている。 ここも例外なくそうだった。 ということで、いつものようにダラダラとした文章で書いてみた。
そこに書いているとおり、ぼくは40代終盤になった今でも、プロのソングライターになるという夢を追っている。 高校の頃に、初めてその夢を持ってから、もう30年が過ぎている。 最初の頃こそ、いつか飽きるだろうと思っていたが、曲数が増えるにつれ、何かの折にふと曲が浮かぶような体験を重ねるにつれ、夢はだんだん本物になってきた。 しかし、若い頃は、それを口に出して言ったり、書いたりすることに抵抗を持っていた。
ぼくが23歳の頃、まだ就職したての頃の話だが、上司から「おまえ、夢はあるか?」と聞かれたことがある。 その時ぼくは「ありますよ」と答えた。 「ふーん、どんな夢か?」 「はい、ソングライターになりたいと思っています」 それを聞いた上司は、人をバカにしたような口調で言った。 「おまえなあ、いつまでも学生じゃないんだから、そんなバカな夢は捨ててしまえ」
ぼくは、上司が「夢を言え」と言うから言ったまでである。 その答が自分の気に入らないものだからと言って、人をバカにすることはないではないか。 ということで、そのことがずっと尾を引いていたわけだ。
それ以来、ぼくは夢を口にすることはなくなった。 また、会社に提出する自己申告書や、転職した際の履歴書にも、作詞・作曲などということは書かなくなった。 口にしたり書いたりすると、前の上司のようにバカにされるか、「こいつ、変わり者だな」という目で見られると思ったからだ。
ところが最近、「それではだめだ」と思うようになった。 やはり夢というものは、口にすることから始まるものだからだ。 夢はオープンなほうがいい。 内に秘めるよりも、ずっと明るい。 これまで、夢を遮っていたものは、実は『口にしない』、つまり『内に秘める』というぼくの姿勢にあったのではないか? ということで、この自己紹介に書いたわけである。
ところで、ぼくの自己紹介を読んだ方は、やはり「変わり者だ」と思うだろうか? いやいや、本当は普通の男なんですよ。 ただ、あまり興味のないことにには口を挟まないタイプなので、けっこう「無口な人」だと言われますけどね。 だけど考えたら、会社という狭い世界に、作詞や作曲に興味のある人なんてなかなかいるものではない。 だから、仕事以外の話はあまりできないじゃないですか。
さて、その自己紹介の最後に書いた『夢見るバカ』という言葉だが、書いている最中にチューリップの『夕日を追いかけて』という歌を思い出した。 ぼくのことをそう呼んだ人は、おそらくその歌の歌詞を引用したのだと思う。 その人はぼくより一つ年下だった。 しかし、チューリップの歌詞をそこに持ってくるとは…。 やはり同世代ですなあ。
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