頑張る40代!plus

2006年08月15日(火) お寺での事件(後)

「もしかしたら?」
そう思ったぼくは、いったん「開き」から手を出し、ズボンのお尻のところに手を突っ込んでみた。
案の定、そこにボタンがあった。
パンツを後ろ前にはいていたのだ。

そこで、慌てて個室に入り、パンツをはき直すことにした。
ところが、個室は狭く、しかも和式である。
その和式も段上にあるものではなく、床にへばりついたヤツである。
つまり、油断するとトイレの中に落ちてしまうわけだ。
まあ、落ちるといっても、水洗だから濡れる程度ですむのだが、それでも気持ちいいものではない。

ということで、慎重に事を済ますことにした。
まず、ズボンを脱いだ。
これはうまくいった。
次にパンツを脱ごうとした。
ところが、これがうまくいかない。
パンツが汗でびっしょりになって、肌にくっついているせいだ。
広い場所なら、そういう状態でもそれほど苦もなく脱ぐことが出来るだろう。
だが、そこは畳半畳の広さもない密室の中、しかもそのど真ん中にデンと便器が座っているのだ。
まさに悪戦苦闘である。
それでも、何とかパンツを剥がすことが出来た。

ところが、まだ試練は続く。
今度は脚にまとわりついてきた。
狭いから充分に腰を曲げることも出来ない。
そこで逆に脚を上げることにしたのだが、このところの運動不足で体が硬くなっていているため、かなりきつい。
しかし、それをしないとパンツは脱げない。

と、脚に力を入れた時だった。
「痛っ!!」
右のふくらはぎが攣ってしまったのだ。
さらにその痛みでバランスを崩し、変な格好で倒れてしまった。
幸い便器の中に落ちることはなく、その変な格好のまま何とかパンツをはきかえることが出来た。
しかし、攣ったあとはかなり痛く、次の寺に行ったときには足を引きずりながら歩いたのだった。

まったく散々な墓参りになってしまった。
この運動不足、何とかしなくては…。


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