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2006年08月11日(金) 夏の妖精

 『夏の妖精』
 君は黙って 星を見つめて
 静かに一人で 言葉にふるえる

 夜は君の すべてを変えて
 君は闇に舞う 星の妖精

  君はぼくの心を 狂わせながら
  窓越しにぼくを見る だけど
  君のひとつひとつのしぐさは 透き通った
  氷のように

 時の流れは 君を見守り
 君の幸せの 風はささやく

 君はすべての 自由をつかみ
 君は美しい 愛の妖精

  君はぼくの心を 狂わせながら
  窓越しにぼくを見る だけど
  君のひとつひとつのしぐさは 透き通った
  氷のように


こういう面映ゆい詩を、高校3年(1975年)の夏に書いた。
ぼくが初めて書いた恋愛詩である。
いや、それまでいくつか恋愛詩みたいなのを書いてはいる。
だが、それらは抽象的なものばかりで、ただ恋愛を賛美したものに過ぎなかった。
個人を対象にした詩は、この詩が初めてなのである。
それから堰を切ったように、その「君」を対象にした恋愛詩を量産していき、最終的に『月夜待』に行き着くわけだ。

まあ、そういうことは別にして、この記念すべき詩を、ぼくは今、パンツ一枚といういでたちでパソコンに打ち込んでいるのだ。
この詩を書いた時、すごく気持ちの昂ぶりがあったのを覚えている。
今日と同じく暑いさなかだったが、気持ちが研ぎ澄まされて、その暑さを忘れていたものだ。
それが31年後には、暑さに耐えきれず、パンツ一枚である。

いや、風呂から上がったあと、いちおうTシャツを着ていたのだ。
ところが、ジワジワと汗ばんできて、そのうちシャツが体にまとわりつくようになった。
そのために脱いだのだ。

しかし、脱いでもいっしょである。
相変わらず、体中ベタベタして気持ち悪い。

考えてみると、あの頃は汗が気持ち悪いなどと思ったこともなかった。
いや、もしかしたら気持ち悪かったのかもしれない。
だが、その気持ち悪さを忘れさせるほどの情熱があったのだ。
その情熱とは、もちろん「君」に向けられたものである。
汗を気持ち悪がる今は、そのかけらすらないのだろう。


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