さて、昨日の続きである。 カラオケを出たあとのこと。 まだ交通機関の最終に間に合うのではないかと、駅やバスターミナルをうろうろしていると、そこに髪を金や茶に染めた若い兄ちゃんたちがたむろしていた。 地べたに座り込み、酒か何かを飲みながら騒いでいる。
ちょうどぼくがその前を通りかかった時だった。 その中にいた一人の男が、急に大声で「カッコいいー」と叫んだ。 『何がカッコいいんだろう』と思っていると、その男は「おれもああいう頭になりてー」と言った。 周りを見回したが、誰もいない。 ということは、「ああいう頭」というのは、ぼくの頭のことらしい。
「あんな銀色がいい」とその男が言うと、その男の友だちが「あれ、白髪やろ」と言う。 「白髪やけど…。あんな自然な白髪がいいー」
こんな頭のどこがカッコいいのだろうか? ただ、そう言われたことに対しては悪い気はしない。
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