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2006年03月03日(金) 不満と落胆

今日が転勤初日ということになるのだが、先週の火曜日以来休んでいなかったため、今日は休むことにしていた。
ところが、先日「今回の転勤者は、午前9時に本社集合」という通達があり、本社に行かなければならなかった。
今までより1時間早く家を出て、渋滞にイラつきながら本社に向かったのだった。

本社で何があったのかというと、今回の転勤理由の説明である。
そのくらいわかっていたのだが、お偉いさんが直接伝えたかったらしいのだ。
会議室で10分程度、お偉いさんの話を聞いていたが、無駄な時間である。
その間、今回の転勤に不満を感じているぼくは、ずっと下を向いて、「家電をやるために、この会社に入ったんだ。他の仕事なんか考えきれない」と思っていた。

そのあと、今回の転勤についての確認事項があった。
その中で残業のことも触れた。
「しんた君には悪いけど、次の赴任先は残業がつきません」
これで月収7万円減が確定した。
不満に落胆まで加わってしまったわけだ。
それが終わってから、新しい職場に行き、挨拶をすませ、そのまま家に帰ったのだった。

さて、家に帰ってから、不満と落胆のぼくは、今の会社に入社してから昨日までのことをずっと考えていた。
「結局何が残ったのだろうか」と自問してみた。が、「何も残ってない」としか答えられない。
前の会社を辞めた時も、同じく何も残ってないように見えた。
だが、よくよく考えてみると、販売経験や接客技術といったものが残っていた。
それが、この会社で充分に役にたったのだ。
だから、昨日までやってこれたのだ。
しかし、次の職場では、そういったものが、まったく活かされない。
完全に一からのスタートになるわけだ。

今の会社は51歳以降は昇給もなくなるという。
それがまた不満をかもす。
今年ぼくは49歳だから、あと2回昇給があるわけだが、その2回で上がる額は、1万円にも満たない。
ということは、ほとんど7万円減のまま、定年までいかなければならないということだ。

夕方、近くのホームセンターに買い物に行った。
家電の売場に行くと、そこには独特の匂いがあった。
26年間、ぼくを包んでいた匂いである。
その匂いを嗅ぐと、ぼくは不満や落胆といった現実を忘れ、生き生きとした気分になった。
ぼくの生きる場所は、やはりここなのだ。
転勤が決まってから、いくつかの電気店の経験者募集の話を聞いたのだが、今ひとつ気分が乗らないので、無視しておいた。
ぼく自身がこういう状態に陥るとは思ってなかったからだ。
やはり、ここは転職をすべきなのだろうか。


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