頑張る40代!plus

2006年02月28日(火) ユリちゃん2

「しんちゃん、チューしよ、チュー」
昨日のことだった。
今働いている店のメンバーでやる、おそらく最後になるであろう飲み会が行われた。
会は大いに盛り上がったものの、その間2時間と最後にしては短いものだった。

さて、冒頭のセリフだが、これは誰が言ったのかというと、ユリちゃんである。
例のごとく酔っぱらってしまい、誰彼なく抱きついていた。
最後に来たのがぼくの座っているテーブルだった。
ユリちゃんはぼくの横に座ると同時に、「しんちゃーん」と言って抱きついてきた。
そして二度、上のセリフを言ったのだった。

「チューなんか、せんでください」
「いいやん、チューしよ」
「だめ」
「うーん」
と言って、ぼくのほっぺたに唇を押しつけてきた。
「あー、もう…」
ぼくはそのテーブルにいた他の人に、「口紅ついてない?」と聞いた。
「大丈夫、ついてないよ」
「ああよかった」

「ユリちゃん、またあんた、お酒に飲まれとるね」
「そんなことないよー」
「いっつもこんなんやん。前は柱に抱きついとったし…」
「柱、柱…?柱なんかにせんよ」
「いいや、柱に向かって『今日は帰りたくない』とか言いよったやん」
「そんなことないよー。ねえしんちゃん、今日は帰りたくない」
「またぁ。ちゃんと家に帰りなさい」
ぼくがそう言うと、またしてもユリちゃんは「チューしよ」と言った。
「チューは、もういい」
「何で?」
「自分のご主人にしたらいいやん」
「主人はじいさん。しんちゃんは若いけね」
そう言って、またしても唇をぼくの頬に押しつけてきた。
その後、自分の席に戻ったユリちゃんは、そこにいた女性を捕まえて『チュー』をしていたのだった。

帰り際、ユリちゃんはぼくに「しんちゃん、カラオケ行こ」と言ってきた。
身の危険を感じたぼくは、「おれ、まっすぐ帰るけ、ユリちゃんも大人しく家に帰り」と答えた。
「カラオケー」
「じゃあ、お疲れさん」
そう言って、ぼくは足早に駅に向かったのだった。


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