頑張る40代!plus

2006年02月20日(月) ユリちゃん

(1)
今月の15日の日記にユリちゃんのことを紹介したが、聞くところによると、どうもユリちゃんは誰にでも「カラオケ行こ」と言うらしいのだ。

そういえば、この間イトキョンと歌の話をしていたら、どこからともなくユリちゃんが現れて、「ん? 今、カラオケの話してなかった?」と言う。
ぼくとイトキョンは、それを聞いて思わず顔を見合わせた。
するとユリちゃんは、例のごとく「ね、カラオケ行こ」と言った。
それを聞いてイトキョンは、「カラオケですか。いいですねえ」と言った。
「いつ行く?」
「いつ、と急に言われても…」
「早くしてね。時間がないんやけ」
そう言って、ユリちゃんは出て行った。

ぼくはイトキョンに、「あんた馬鹿やねえ、変な約束して。だいたい、ユリちゃんが何歌うか知っとると?」と言うと、「いや、知らんけど…。あの人やったらポップスかねえ?」と言う。
「あんた、何も知らんねえ。ユリちゃんは演歌オンリーなんよ。それもド演歌、延々30曲」
「うっ…」
「私たちが歌えんやん」
「いや、ちゃんと歌えるよ」
「でも、30曲も歌うんやろ」
「うん。だから時間が長くなるんよね」
「それに…、ド演歌やったら踊れんやん」
「いや、それは大丈夫。ユリちゃんはちゃんと踊るよ」
「えっ、ド演歌でどうやって踊ると?」
「独特の踊りがあるんよ」
「どんな踊り?」
「腕を複雑に動かしたり、よろけるようにステップを踏んだり、柱にしがみついたりするんよ」
「へー、見てみたいねえ」
「じゃあ、今度じっくり見ればいいやん」

(2)
何でユリちゃんがそこまでカラオケにこだわるのかというと、前にも書いたが、それはカラオケを習っているからである。
きっと、そのことが大きな自信になっているのだと思うが、今日、アルバイトのT子から、こういう話を聞いた。

昨年の夏に屋外で焼き肉パーティをやった時のこと。
T子がトイレに入った時、個室で誰かが大声を出して歌っていた。
トイレを出る時も、その歌は続いていた。
それからしばらくして、トイレの灯りが消えたので、じっと見ていると、出てきたのはユリちゃんだったという。

T子は言った。
「あの人、変ですねえ」
「別に変じゃない」
「でも、ずっとトイレの中で歌ってたんですよ」
「ユリちゃんは、それが普通なんよ」
「???」
若いT子には、まだユリちゃんの味はわからないか。

しかし、トイレで平気に歌を歌うというのは、よほどの自信を持ってないと出来ないことである。
ここはユリちゃんを褒めるより、そこまで自信を付けさせたカラオケの先生を褒めるべきだろう。
その先生の名は、天籟寺和子(芸名)という。
古くからこの日記を読んでいる人なら、ピンとくるかもしれないが、天籟寺和子とは、2001年2月1日の日記に出てくる『芸能人おカズ』のことである。

そこで意地悪なぼくは考える。
もしかしたらおカズがユリちゃんに、「本当に歌が上手くなりたければ、トイレでも歌えるようにならんとね」と教えているのかもしれない、と。
おカズなら、言いかねない。


 < 過去  INDEX  未来 >


しろげしんた [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加