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2005年05月02日(月) 自分を騙す

昨夜、寝る前に鏡を見てみると、目の下に隈ができていた。
そういえば、ここ数日午前3時以降に寝ることが多い。
普段なら、休みの日に埋め合わせをする。
つまり、寝だめをするのだ。
ところが最近、休みといえばいつも晴れている。
そのため、寝ていると何かもったいないような気がして、なかなか寝ることをしない。
かといって何をやっているわけでもない。
気がついたら夜が来ていて、「ああ、こんなことなら寝だめしておくんだった」と後悔する。
そのせいで疲れはどんどんたまっていく。
たまりたまった結果が、この隈になったのだろう。

とはいうものの、別に隈ができても気にはならない。
ぼくは身なりをかまわない人間なので、何かあっても「ま、生きてりゃいいや」と思ってしまい、すぐに関心は別のほうへと向かっていく。
しかし、客商売という仕事の性格上、この隈はいただけない。
不健康そうな顔をお客の前に晒すことは、タブなーなのである。
そこで、布団の中で「健康、健康」と呼びかけて寝ることにした。
それが効いたのかどうかはわからないが、朝起きてみると、目の下の隈は消えていた。

ぼくはこうやって、布団の中で暗示をかけながら寝ることが多い。
頭や腹が痛かった時などには、その痛い部分に「全快、全快」とか「完治、完治」などと呼びかけるのだ。
すると、朝起きた時には、ほとんどの痛みは消えている。
こうやって自分に呼びかけることを『自己暗示』と言うのだろうが、ぼくはそう呼ばない。
何と言うかというと、『自分を騙す』である。
どこかの国には「嘘も百回言えば本当になる」ということわざがあるらしいが、自分に対し「調子がいいんだ」と嘘を吹き込み続けることで、だんだん体は騙されてしまい、そのうち本当に調子が良くなってくるものである。

しかし、こういう技を発見したのも、病院に行きたくないがためである。
そのおかげで、そういう痛みで病院に行ったことはほとんどない。
しかし、歯痛には通用しなかった。
その証拠に、現在歯医者に通っている。

さて、『自分を騙す』という重宝な技を、自分の体のためだけに利用するのももったいない。
ということで以前、「この『自分を騙す』ことを他に応用できないものだろうか」と思い、実験をやったことがある。
東京にいた時だが、財政が底をつきかけたことがある。
その時に「自分は金持ちだ」とやってみたのだ。
しかし、金持ちになるどころか、わずかに残っていた持ち金もスリに盗られてしまったのだった。
こういう経験があるので、自分の体調以外のことで『自分を騙す』ことはしないようにしている。


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