左の写真を見てほしい。 民家の上の空が赤いのがわかるだろうか? この写真は今夜10時過ぎに、ぼくの実家付近から南の空を撮ったものである。 今日嫁ブーは休みで、昼から自分の実家に帰っていた。 ということで、ぼくは仕事帰りに嫁ブーを迎えに行った。 そこで晩飯を食べてから家に帰ったのだが、その帰りにちょっと用を思い出し、ぼくの実家に寄った。 その時この空に遭遇し、さっそくカメラに納めたわけだ。
この空を見たとたん、嫁ブーは「何か不気味な空やねえ」と言った。 「ああ、確かに午後10時の空じゃないのう。妙に明るい」 「うん、夕暮れ時の空やねえ」 「ほら、前に『時間ですよ昭和元年』で、関東大震災の時、赤い空やったと言いよったやん」 「あっ、そうやったねえ。もしかして、こういう空やったんやろうか?」 「おう、テレビではこんな空やったのう」 「何か不吉なことが起きるんじゃないと?」 「何とも言えんけど…」 「また地震とかあったら嫌やねえ」 「そういえば、ここ2,3日変な風が吹いているし…」 「そうそう、この間の地震の時も、変な風が吹いてたよ」 「1週間前には、地震雲が出ていたと言うし…」 「うん…」
不安になったぼくたちは、実家での用事を早めにすませ、慌てて家に帰った。 帰る時も、南の空は赤いままだった。 家に着いて、ぼくたちは、さっそくバルコニーの鍵を開けた。 ここは6階だから、赤い空の原因がわかるかもしれないと思ったわけである。 バルコニーに出たぼくたちは、その赤い空の出ている方向を見てみた。 「!」 ぼくたちは顔を見合わせた。 パチンコ屋のネオンが空に映っていたのだった。
3月に地震が起こって以来、どうも疑心暗鬼を抱いてしまったようだ。 ちょっとした物音でさえ、「地震じゃないか?」と思ってしまう。 立っている時、足下に「ズン!」と震動が来るような気がする。 ガタガタ道を運転している時にも、「これは地震のせいじゃないのか?」と思っている。 と、いう具合である。 いったいこの疑心暗鬼はいつまで続くのだろうか? 地震には、「これで終わり」という着地点がない。 それゆえ、一生続くような気がする。 ともあれ、今日はパチンコ屋のネオンで安心した。
【追記】 ところがである。 この日記を書いている時(翌午前1時24分)に、本当に地震が起こってしまったのだ。 震源地は相変わらず福岡市で、そちらの震度は4、ぼくの住んでいる地域は震度3だった。 もしかして、『赤い空』神話は本当だったのだろうか? もしそうなら、パチンコ屋はネオンをつけないでほしい。
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