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2005年02月22日(火) 世間は狭い(下)

家に帰ってから、ぼくはさっそく母に聞いてみた。
「Nさんち知っとう?」
「Nさん?ああ、前の会社におった人やろ。あの人再婚して、今Sという姓になっとるけど」
「その人、娘がおったやろ?」
「○江ちゃんやろ?」
「うん」
「Nさんと私、私仲良かったんよ。あんたもあったことあるよ、Nさんにも○江ちゃんにも。そうそう、あんたよく○江ちゃんと遊びよったやん」
「・・・・、知らん」
「そうよねえ。昔の話やけ。で、それがどうしたと?」
「Mさんのね」
「うん」
「嫁さんの名前、○江と言うんよ」
「ええっ?もしかして、あの○江ちゃん?」
「うん」
「そういえばあんた、Mさんの結婚の時、行ったんやったねえ。その時わからんかったと?」
「わかるわけないやん。顔も覚えてないし。新婦の母のところにNさんと書いてたわけでもないし。いや、仮にNとなっていたとしてもわからんかったやろうね」
「そんなもんかねえ」
そんなもんである。
それがもとで、母とNさんとの親交が再び始まった。

ぼくとしては、こうなることを予想して、Mさんとつき合っていたわけではない。
が、世間は狭いと言ったらいいのか、実に不思議な縁である。


【その2】
さらにこういう例もある。
この日記に何度か登場している、友人のオナカ君のことである。
彼とは高校時代に知り合った。
1年の時は隣のクラスだった。
まあ、顔見知り程度の存在だった。
2年の時に同じクラスになり、その頃から現在まで、ずっと飲み友だちでいる。
まあ、彼とはそういう縁だったのだろう。

ところが、縁はそれだけではなかった。
オナカ君は、仲間内では誰よりも早く結婚した。
奥さんは、ぼくたちと同じ高校出身で2級下である。
だが、オナカ君と奥さんは、高校時代に知り合ったのではない。
仕事上で知り合ったのだという。
オナカ君は奥さんの実家のそばに新居を構えた。
その奥さんの実家というのが、うちの嫁ブーの実家の近くである。

ある日、ぼくが嫁ブーの実家に行っていると、なぜかそこでオナカ妻の実家の話題が出た。
近くとは言っても、けっこう距離が離れている。
「何の話だろう?」と聞き耳を立てていたのだが、そこで意外な事実を知った。
何と、嫁ブーの父親とオナカ妻の母親が親戚関係にあるというのだ。
であれば、当然オナカ妻と嫁ブーは、親戚同士ということになる。
ということは、オナカ君とぼくは、戸籍上親戚関係にあるということだ。
何と不思議な縁だろう。

ということで、ぼくとオナカ君は今、深い関係にある。


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