| 2005年02月09日(水) |
2月8日の日記(下) |
その灯油を安く買おうと、毎年価格の安い店を探すことにしているのだが、いつも買っているところは、先にも言ったように今年は200円も値上がりしている。 それでも安いと思っていたのだが、上には上がある。 そこよりも60円も安いところがあったのだ。 おそらく、そこが北九州一安いだろうということである。 ちなみに価格は、18リットル794円(税込み)である。 そこで今日は、いつも買っている店よりはちょっと遠くになるが、その794円のスタンドに買いに行くことにした。
スタンドに着くと、多い多い。 そこは灯油だけでなくガソリンも安いため、灯油の客とガソリンの客が入り乱れてスタンド内は大渋滞しており、入りきれない車が公道に列を作っていた。 しかしいつものことなのだろう。 スタンドの人は要領よくお客を裁いている。 そのため、それほど待たされずにすんだ。
家に戻ったぼくは、一息ついてから歯医者に行った。 歯医者には歩いて行ったのだが、その途中に異様な光景を見た。 灯油を買って帰る時、対向車線が工事中で渋滞していた。 ぼくが歯医者に行く時も、その渋滞は続いていた。 そくはその渋滞している道路を渡り、家の前にある銀行に行って、お金をおろした。 そして、再び道路に出てみると、あれだけあった車がない。 「もう工事が終わったのか」と思いながら前を見てみると、一台のトラックが止まったままになっている。 そして、その後ろには車がズラーッと並んでいる。 300メートルほど先がカーブになっていて、ぼくのいる位置からだとその後ろは見えないが、そこまでは確実に車が並んでいる。 おそらく、その後ろも車は並んでいることだろう。
で、その先頭になっている車だが、故障でもしたのだろうか? だが、車を見てみると、運転手はちゃんと乗っている。 何をやっているんだろうと思いながら、ぼくはその車の横を通り過ぎた。 しばらく歩いてから、うしろを振り向いてみた。 が、まだその車は動いていない。 しびれを切らした後続車が、ガンガン、クラクションを鳴らし出した。 だが、その運転手はそれに動じることがないのか、車は相変わらず動かなかった。
ぼくが、前述のカーブのところまで来た時も、まだ車の列は動かないままだった。 その時、ふとぼくはあることに思い当たった。 それは、「故障しているのなら、最低ハザードランプはつけるよなあ。そうしないと、後続車に迷惑がかかるし…」である。 ということで、ぼくは先ほどの運転手の状況を、もう一度思い出してみた。 「そういえば、運転手は下を向いていたよなあ。確か、目をつぶっていたような。…えっ、もしかして過労死?だとすると、大変だ!」 なぜそう思ったかというと、数ヶ月前に知り合いの身内が亡くなったのだが、その死因が過労死だったからだ。 その人は、トラックの中で死んでいたという。
そこでぼくは、引き返そうと思った。 ところが、ぼくがそう思って、体を来た方向に向けた時に、車が流れ出したのだ。 先頭のトラックも、もう先ほどの位置には見えなかった。 動くということは、故障してないということだ。 ということは、寝ていたのか? いや、誰かがもしかして過労死している運転手を助手席に移し、交通の邪魔にならないところに運んだことも考えられる。 ということで、歯医者が終わってから検証してみることにしようと思った。
歯医者が終わると、さっそく先ほどの場所まで戻った。 その辺にトラックはないかと探してみたのだが、見あたらない。 ということは、やはり運転手は寝ていたのか。 先頭のトラックが止まっていた位置からそのカーブ地点まで、歩いて3分ほどだから、運転手はその間ずっと寝ていたことになる。 いや、その前から寝ていたわけだから、5分以上は寝ていただろう。 普通、渋滞していると、イライラするものである。 ところが、その運転手は、そういう状況でもイライラすることなく、逆にリラックスしてしまったのだ。 しかもその間、あれだけのクラクションの嵐を受けても、目を覚ますことがなかったのだから、大した根性者である。
さて、運転手は寝ていたと結論づけたぼくは、家に帰り、しばらくパソコンをいじった後に寝ることにした。 しかし、ぼくは根性ものではないから、電話が鳴ると目を覚まし、メールが届くと目を覚ましていたのだった。
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