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2004年09月15日(水) ヒロミちゃん1

先週の火曜日、つまり台風18号が吹き荒れていた日のこと。
その日の日記に、家から一歩も出ずに退屈な時間を送っていた、ということを書いた。
物干し竿が乱舞していた午前中はともかく、午後からは本当に暇だった。
そこで、嫁さんに「なんか面白いことないか?」と聞いてみた。
休みの日は、一度は外に出ないと気がすまない嫁さんだから、きっと「思いつかん」と答えるだろうと思っていた。
ところが嫁さん、とっておきの企画をぼくに披露した。
それは、
「ヒロミに電話してみようや」
だった。

ヒロミとは嫁さんの高校時代の同級生である。
それと同時に、ぼくの元部下である。
顔立ちがよく且つ長身で、かなり目立つ女性だった。
当然上司からの受けもよく、たいがいのわがままを許してもらっていた。
決して、職場の華的な内輪美人ではない。
おそらくその美貌は全国的にも通用するだろう。
その証拠に、テレビにも出たことがある。
街を歩いている時に、突然レポーターから声をかけられたのだ。
その時の企画は『街角美人』だった。
それだけでも、職場によくいる『内輪美人』でないことがおわかりいただけるだろう。

ぼくが生まれてから今まで出会った女性の中でも、1,2位にランクされる美女である。
しかし、ぼくはヒロミを素直に美女とは認めているわけではない。
彼女を「美女」と呼ぶには、ひとつの前提が必要となるからだ。
つまりその前提条件を満たした時、初めてヒロミは美女となるのだ。
その条件とは何か?
それは「しゃべらなければ」ということである。
実はヒロミは、かなりの変わり者なのだ。
口を開くとおかしなことばかり言っている。
ぼくが生まれてから今までであった女性の中でも、1,2位にランクされる変わり者である。

ぼくの部門にいた頃の話である。
仕事中のことだった。
「しんたさん、トイレ行ってくるけ」と言うので、「ああ」と返事をすると「うんこやけねえ、長いよ」と言う。
それからいっときして帰ってきたのだが、帰って来るなり「ねえねえ、しんたさん。今ね、うんこが出かかっとたんよ。そしたらね、掃除のおばちゃんがトイレに入ってきたっちゃ」と言った。
「それがどうかしたんか?」
「そしたらね。途中まで出とったうんこが引っ込んだんよ。ああ、気持ち悪い」
気持ち悪いのはこちらである。
飯前なのに、うんこが出たり入ったりするのを想像してしまったじゃないか。
それ以前に、職場でする会話ではない。


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