| 2004年04月30日(金) |
好きな食べ物(ジャガイモ編) |
小学生の頃まで、ジャガイモが大嫌いだった。 月に一度、給食でポテト状のジャガイモが出ていた。 塩と若干の青海苔を混ぜた程度のものだったのだが、それがジャガイモと合わなかったのか、変な味付けになっていた。 一度それを口にしたぼくは、あまりのまずさに二度とそれを食べようとは思わなかった。 そんなことがあり、ジャガイモ自体が嫌いになった。 それまでカレーは中に入っている野菜も残さずに全部平らげていたのに、それ以来ジャガイモだけは残すようになった。 ジャガイモ嫌いはその後ずっと続いた。
ところが、ある時からその嗜好が変わる。 それは、東京に出てからのことだった。 友人たちと居酒屋に行った時、誰かがジャガバターを注文した。 最初は『ゲッ、ジャガイモか』と思って無視していたが、友人があまりにおいしそうな顔をして食べているのを見て、「それおいしいんか?」と聞いてみた。 すると友人は「最高だぜ。ちょっと食べてみなよ」と言う。 「ジャガイモ好きじゃないけ」と、いったんは断った。 すると友人は「こんなにおいしいのに。騙されたと思って食べてみろよ」と言う。 そこでぼくは、そのジャガバターに箸を付け、恐る恐る口に運んだ。 一口目、あの給食を思い出して、鼻で息をすることをしなかった。 が、食べた後にバターのいい香りが鼻を包む。 二口目、今度は鼻で息をした。 サツマイモを食べているようだったが、甘みがないぶんバターの味が引き立ち、それがジャガイモの味と調和している。 思わず「おいしい」と口走った。 友人は「ほら、おいしいだろ」と言った。 「ジャガバターち、こんなにおいしかったんか」 「ジャガバターだけじゃない。ここは肉じゃがもおいしいよ」 「へえ、じゃあおれ、肉じゃが頼もう」 と、ぼくは肉じゃがを注文した。 これがまた絶品だった。
思うに、ぼくは元々ジャガイモが嫌いではなかったのだ。 たまたま味付けの悪い給食に出会っただけで、それが嫌いだったというだけの話だったわけだ。 その証拠に、それ以来ぼくはジャガイモの虜になったのだ。 飲みに行くと必ずジャガバターや肉じゃがを注文するし、マクドナルドやモスバーガーに行くと必ずフライドポテトを注文する。 毎日の弁当の中にも、必ずポテトを入れている。 今となっては、ジャガイモのない生活は考えられない。
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