| 2004年04月14日(水) |
続・生活習慣改善フォローアップ健診(後) |
ところが、おばちゃん看護婦は、またしてもしゃべりかけてきた。 「ここにジュース飲まないって書いてあるけど、本当に何も飲まないの?」 「いや、酢と青汁は飲んでますよ」 「そう。お酢はいいのよねえ。私なんか、自分で作ってるんよ」 「そうですか」 「…あらっ、やっぱり高いよ」 「話しかけるからですよ。もう一度やって下さい」 「同じだと思うけどなあ」 「あのう、今度はデジタルじゃなく、手動でやってもらえませんか?」 「いいけど、結果は同じだと思うよ」
「いいですか、話しかけないで下さいね」 そう言って、ぼくは3度目の挑戦をした。 ところがこのおばちゃん、またしても話しかけてきたのである。 「ねえ、体重が減ったって書いてあるけど、前回と変わってないじゃない」 「そりゃ、前回は夏場にやったでしょ。今日みたいに着込んでなかったからです」 「ああ、そうか…。あ、そうそう私も体重減ったんよ」 勘弁してほしい。 誰も、おばちゃんの体重なんて聞いてない。 しかも、まだ測定中じゃないか。
案の定だめだった。 「やっぱり高いねえ」 「毎日家で測ってるけど、いつもは正常ですよ」 「ふーん、そう。じゃあ、今日は何回やってもだめな日なんよ」 そりゃそうだ。 このおばちゃんが測る限りだめだということは、ぼくでもわかる。 「じゃあ、お大事にね」 おばちゃんの声に送られながら、ぼくは部屋を出た。
さて、いよいよ最後の問診である。 あいにく先客がいた。 しかたなく、ぼくは部屋の前のイスに腰掛けていた。 「あーあ、早く帰りたいのになあ」と思いながら、問診票を何気なく見ていると、何と、その問診票はぼくのものではないではないか。 「あ、血圧の時だ!」 ぼくは慌てて、血圧の部屋に戻って行った。
「すいませーん」と言いながら部屋に入ると、その問診票の持ち主が困った顔をしていた。 若い看護婦が、「ありましたね。ああ、よかった」と言った。 例のおばちゃん看護婦が「ほーら、やっぱりあんたやったね」と笑いながら言い、さらに何か言おうとした。 このおばちゃんと関わるとろくなことはない。 問診票を交換して、「問診待たせてますから」と言って、そそくさとその部屋を飛び出した。
問診の場所に戻ると、看護婦がぼくを探しているところだった。 「おたくでしたよね?」 「はい」 「どうぞ」 中には若い医師がいた。 彼はぼくの胸や腹に聴診器を当て、「異常はありませんね」と言った。 その後ぼくの問診票を見ていたが、「ああ、尿酸値か。ちょっと高いだけじゃないですか」と言った。 ちょっと高いだけで、わざわざこんなところに呼ばないでほしいものである。 てっきり高い血圧のことに触れるかと思っていたが、そのことには触れなかった。
その部屋を出て時計を見ると、ここに来てから、すでに1時間以上経過している。 当初20分くらいだと思っていたのに、これで完全に予定が狂ってしまった。 それもこれも、おばちゃん看護婦のところで手間取ったためだ。
最後に受付に行き、問診票を渡す。 受付嬢は「はい、以上で終わりです。結果を楽しみにしておいて下さい」と言った。 尿酸値で悩んでいるなら結果も気になるだろうが、ぼくはまったくそのことを気にしてないのに、いったい何を楽しみにしろというのだろうか。 「楽みになんかしたくないわい」とつぶやいて、ぼくは健康センターを出た。
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