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2003年12月05日(金) 都会

5年ほど前の話だが、関西から引っ越してきたという女性のお客を相手にしたことがある。
そのお客はすごい服装のセンスの持ち主で、およそファッションに疎いぼくが見ても笑えるような格好をしていた。

そのお客、関西にいたことが自慢らしく、何かにつけ「九州は田舎やねえ。関西なら…」と言うのだ。
その時、ぼくは「まあ、関西の人が見たら九州は田舎に見えるだろうけど、あんたの格好を見て誰が都会の人と思うだろうか」と思ったものだった。

都会についてだが、ぼくは北九州市のことを、政令指定都市だからといって、別に都会だとは思っていない。
かと言って、田舎だとも思っていない。
福岡市にしても同じである。
まあ、確かに福岡市のほうが、北九州市よりもビルも多いし街も整備されている。
が、それだけで都会とは思えない。

ぼくは東京にいたことがあるが、その時「おれは都会に住んでいるんだ」という意識など一切持たなかった。
何ら北九州での生活と変らなかったからである。
確かに大きなビルがたくさんあったが、それはあくまでも景観にすぎないと思っていた。
現にそういうビル群を東京の人がすべて活用しているのかと言えば、そうではないはずだからだ。
交通網も発達していたが、あれだけの人口を抱える土地だから、移動手段としてそれは必然のものであると思っていた。
一般的に、こういうものを都会の尺度としているから、「ここは田舎やねえ」などという、わけのわからない差別心を持ってしまうのだ。

大きなビルや交通網が都会の尺度になるとするなら、ニューヨークに比べると東京もずいぶん田舎だということになる。
関西も東京に比べれば、ずいぶん田舎だということになる。
都会と田舎、それはあくまでも相対的な見方や感じ方にすぎず、「これが都会だ」「これが田舎だ」という絶対的なものがあるのではない。
ぼくの見方や感じ方からすれば、その時々の便利を満たしてくれさえすれば、どこに住んでいても、そこは都会である。

さて、冒頭の関西出身の都会女だが、その後北九州に不便さがないことに気づいたのか、「田舎やねえ」などとは口走らなくなった。
しかし、ファッションセンスは相変わらずである。


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