今日も天気予報が外れた。 昨日の天気予報では「晴」だったが、朝から曇天、昼からは雨が降り出す始末だった。
今日、ぼくは家族と、福岡の小京都と言われている秋月に紅葉を見に行く予定にしていた。 天気予報を信じて、それなりの準備をしていた。 ところがいつまでたっても晴れない。 一時は断念しようかとも思った。 しかし、前回も雨で流している。 今日を逃したら、今年の紅葉は見られないままで終わってしまうだろう。 ということで、今日は強行して出かけることにした。
まあ、雨とは言ってもパラつく程度だったので、さして車の運転には影響はなかった。 特に渋滞もなかったので、比較的快適なドライブだったと言える。 ただ、運転出来るのがぼく一人しかいない、という気の重さはあったが。
さて、昼の12時半に家を出て、着いたのは2時半だった。 高速を使っていれば、もう少し早く着いたかもしれない。 が、行き先は県内なので、高速を使うほどのことはないと思い、一般道で行くことにした。
秋月につくと、それまでの曇天や小雨が嘘だったかのように晴れ上がった。 少し雲はかかっていたが、ほとんど快晴と言っていい状態である。 気温のほうだが、秋月は山あいにあるため、風は冷たかったが、日差しの強さが手伝って、あまり寒さは感じなかった。 秋月城趾を散策するには、もってこいの気候だったと言える。
秋月には何度か行っているので、別段感動するような場所はなかった。 また、お目当ての紅葉も、所々色づいてはいるものの、目を奪われるといった風景にはお目にかかれなかった。 「ちょっと遅かったか。この程度なら、家の窓から見える紅葉のほうがまだましだ。わざわざやってくるまでのことはなかった」と少し後悔した。
ところが、この後悔を打ち消すものが現れた。 日照庵というお寺で飼っている猫である。 ぼくは今までいろいろな猫に接してきたが、いつも迷惑がられてばかりいた。 ところが、日照庵の猫はそうではなかった。 ぼくを歓迎してくれたのだ。 その猫たちは、檻の中に飼われていた。 アメリカンショートヘアとペルシャとシャムの3匹である。 ぼくの姿を見つけると、その猫たちは嬉しそうに「ミャーオ」と言いながら、ぼくを手招きして呼んだのだ。 近寄っていくと、檻の網に体をすりつけて喜ぶ。 猫大好き人間のぼくには、このしぐさが可愛くてたまらなかった。 抱くことが出来ないので、網から指を差し出すと、猫たちは首をこすりつけた。 3匹が3匹とも同じしぐさなのだ。 おそらくこの猫たちは、この寺に奉ってある虚空蔵菩薩の化身なのだろう。 おかげで、ぼくの心も癒やされたのだ。
秋月には2時間ほど滞在した。 垂裕神社と、例の日照庵に行ってから、腹が減ったので名物の「くずきり」を食べた。 モチモチしてはいたが、空腹を満たすだけの量はなかった。 このままだと家まで持たないと思い、甘酒を注文しようとした。 が、糖尿恐怖症のため思い直し、漬け物を食べることにした。
店を出ると、辺りは薄暗くなっていた。 5時が近くなっている。 あまり遅くなると困るので、「今日はここまで」ということになった。 その後、また2時間かけて家に戻った。
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