11月3日の小久保事件勃発以来、ぼくはホークス情報No.1の地元紙『西スポ』や、連日高塚球団社長を糾弾し続けた『スポニチ』などのスポーツ新聞、その件について書かれている週刊誌などを読みあさった。 毎週やっている、地元のスポーツワイドショーを見て、もっと詳しい情報を得ようともした。 また、公式掲示板や2ちゃんねるなどを見ることもあった。 そうやって、ぼくなりに小久保事件の真相を追求したきた。 しかし、結局わからなかった。 もちろん、その事件の大まかな流れだけはわかったのだが、そこにある人間関係や感情といったものが、「たぶんこういったことであろう」という憶測でしか見えてこなかった。
何故ぼくがこの問題に対して、これほど興味を見せるのかというと、もちろんそこに、球団のことは何でも知っておきたいというファン心理が働いているのは否めない。 しかし、それ以上に重要だったのは、昨年までの選手会長だった小久保が球団社長に噛みつき、その結果、疎まれて他球団に流出されたという記事を最初に読んだからだった。 かつてトップに言いたいことを言って左遷の憂き目に遭ったことのあるぼくにとって、この問題は他人事には思えなかったのだ。 その時小久保はどういう発言をし、どういう行動に出たのか。 また球団社長はそういう小久保に対し、どういう態度で接していたのか。 そのへんを一番知りたかった。
そういうおり、その小久保事件に対して、ついに選手会が立ち上がった。 選手会長松中の一連の発言の中に、「社長は真相を説明しろ」という要求があり、これで少しは真相が見えてくると期待した。 ところが、当初はV旅行ボイコット発言をするなど威勢がよかった松中も、昨日のトップとの話し合いで、急にトーンダウンしてしまった。 このため、海千山千のトップのほうが一枚も二枚も役者が上だった、という印象を与える結果になってしまった。 現場音痴のトップが君臨する企業に対して、現場がどこまでメスを入れていくか、ぼくには実に興味のあることだったのだが、残念でならない。
しかし、この小久保事件ではっきりしたことがある。 それは、ぼくたちホークスファンは、あくまでもホークスという球団及びそこにいる監督や選手のファンであって、(株)福岡ダイエーホークスという会社のファンではないということだ。 会社側は、このへんをはき違えている。 だから看板選手を無償でトレードするといった、不透明なことを平気でやるのだ。 しかし、こういうことばかりやっていると、今にしっぺ返しを喰らうことになる。 現に「ダイエーは速やかに球団売却を!」「高塚球団社長の辞職要求」といったネット署名が始まっている。 一部でダイエー不買運動も始まっているという。 また、「来季はドームに行かない」という人も増えている。 草の根運動も、いつかは大きな力になるというのを会社側は覚えておいたほうがいいだろう。
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