| 2003年11月03日(月) |
キャンディーズ考察 6 |
さて、生まれて初めてアイドル歌手のファンになったぼくは、彼女たちの出ている番組ほとんどを見ることになる。 『見ごろ 食べごろ 笑いごろ』はもちろんのこと、『ドリフの大爆笑』から『TVジョッキー』まで欠かさずに見た。 まあ、浪人中で暇だったから、そういうことも出来たわけだが。
その翌年、ぼくは上京した。 東京へは3月の終わりに行く予定にしていた。 下宿先にもそういう約束になっていた。 しかし、ぼくはわざと上京を遅らせた。 4月4日に行われたキャンディーズの解散コンサートを、テレビで見たかったからである。 別に東京で見てもいいじゃないか、と思う人もいるだろう。 しかし、下宿先にはテレビがなかったのだ。
コンサート最後の嗚咽を聴いて、ぼくは東京に向かった。 東京に出てからしばらくして、ぼくは初めて秋葉原に行った。 ある電気屋が、キャンディーズの解散コンサートをビデオで流していた。 ぼくはその映像をずっと眺めていた。 そしてようやく諦めをつけた。
ぼくにとって、キャンディーズの前にキャンディーズはなく、キャンディーズの後にキャンディーズはない。 その前も、その後も、「ちょっと大人」の「どこにでもいるようなお姉さん」タイプのアイドルにはお目にかかっていないということである。 もしかしたら、それはぼくの20歳前後に起きた、ちょとした奇跡だったのかもしれない。
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