【その1】 15年ほど前、手のひらに小さなイボのようなものが出来ていたことがある。 邪魔にもならず、痛みなどもなかったので、最初は気にしなかったのだが、だんだんうっとおしく感じてきた。 それ以前に、脚のすねにイボが出来たことがあったのだが、その時はカミソリで切り取った。 しかし、手のひらのイボはそう簡単には取れない。 しかも手のひらは、すねと違って、普段使う場所である。 切り取った跡が治るまでは何かと不便だ。 また、せっかくいい手相をしているのに、下手に傷を入れて、手相が変ってしまうのも嫌だ。 そ思って、気にはなるがそのまま放っておいた。 ところが、ある日手のひらを見てみると、イボがきれいに取れていた。 それも、どこにも傷跡もなく。 取れたと気づいてから、手のひらを見てみたが、どこにもイボの痕跡はなかった。
【その2】 4,5年前から、右足のすねの一部分が変色しているのに気がついた。 この時も、最初は気にしなかった。 ところが、時間が経つにつれ、その部分はだんだん盛り上がってきて、真っ黒になってしまった。 大きなホクロ、といった感じである。 「これはひどい。もしかして皮膚ガンにでもなったのか?」と、ぼくは思った。 家族や親戚からも「あんた、そういうところにホクロがあったかねえ。年とってからのホクロは皮膚ガンの疑いがあるらしいよ。病院に行ってきなさい」と言われる。 また、友人も「お前、それどうしたんか。何か悪い病気にでもかかっとるんやないか? 一度病院で見てもらったほうがいいぞ」と言う。 普通の人なら、この時点で病院に駆け込むだろう。 しかし、普通の人でない上に、大の病院嫌いであるぼくは、その行動をとらなかった。
ホクロのごときものは、いつまでたっても治らない。 「もしかしたら、このまま死んでしまうのかなあ」と弱気になることもあった。 ところが、今年に入ってからのこと。 ふとその部分を見ると、あの忌まわしい真っ黒がなくなっているではないか。 まだ少し痕跡はあるのだが、よく見ないとそれはわからない。
【その3】 これも最近のこと。 このホームページを立ち上げた頃、それまでにはなかった寝不足の状態が続いた。 「なるべく早く寝ないと、今に病気になるかもしれん」と思っていた矢先だった。 急に小便の出が悪くなったのだ。 絞り出すようにしないと、満足に用を達すことができない。 おまけに痛みも伴っている。 最初は膀胱炎かと思っていたのだが、そのことを知り合いに話すと、「いや、それは前立腺の病気やろ」と言う。 そして、例のごとく「早く病院に行ったほうがいいよ」である。 何度も言うが、ぼくは大の病院嫌いなのだ。 しかも、病気にかかると、「自然になった病気なんだから、自然に治る」と信じている人間である。 そのため「こういうやっかいな病気でも、原因がわかっているのだから、それさえ改善していけばいずれは治るだろう」と高をくくっていることにした。 ところが、ぼくはホームページ立ち上げ以来、例の『日記症候群』に陥っているのだ。 おかげで、いつまでたっても寝不足は改善出来ない。 返って寝る時間が減っているように感じる。 それに伴い、前立腺の病気なるものは、日増しに悪くなったような気がする。 そういう折、天皇陛下の前立腺ガンの報道があった。 ぼくはそれを聞いたとたん、「おれもいよいよか」と思ったものだった。
ところが5月に入ってから、急に小便の出がよくなったのだ。 今までの「チョロチョロ」ではなく、若い頃のように「シャー」っと出る。 最初は「今日は機嫌がいいのう」くらいに思っていた。 しかし、その後はずっとその状態が続いており、痛みもなくなっている。
【総括】 これらの報告にあるようなことを自然治癒というのだろう。 それをさせるのは、人間が本来持っている自然治癒力である。 その治癒力はどんな人も持っているのだが、そう簡単に力を発揮してくれない。 その力を効率よく得るためには、ぼくのように信仰の力が必要になってくる。 その信仰とは何か? それは、『病院嫌い信仰』である。
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