ここ2週間ばかり、土日が休みになっていて見られないのだが、平日が休みの時は、夕方にやっているローカルのバラエティ番組をよく見ている。 このローカルバラエティ、3月までは民放2局で視聴率の競り合いをやっていたのだが、4月からこの時間帯にNHKも参入してきた。
元々夕方のバラエティは、福岡放送とRKB毎日が4時55分から1時間番組でやっていた。 (厳密に言うと、福岡放送は『プラス1』もバラエティ枠に入れているから、2時間の放送だった) ぼくは福岡放送のほうを見ていたのだが、なんといっても出色は元ヒップアップの川上泰生だった。 ヒップアップ時代、これほど面白かっただろうか、と思えるほどギャグが冴えている。 また、現在『ズームイン朝』を担当している奥田アナが出ていたことも、福岡放送を選んだ理由の一つだ。 この頃は、福岡放送一辺倒だった。
奥田アナが『ズームイン朝』に移った頃から、RKBのほうを多く見るようになった。 こちらも福岡放送と似たようなことをやっていたが、お笑いが今ひとつだった。 福岡吉本の若手クラスでは、川上さんには太刀打ちできないだろう。 しかし、RKBには強みがある。 それはドラマである。 わざわざ、バラエティ向けのドラマを作り、時間中に流していた。 さすがかつて『東芝日曜劇場』を制作した放送局だけのことはある。 まあ、こういう各局の番組を比較しながら見るのも、けっこう楽しいものがあった。
ところが、ある時期から、ぼくはまた福岡放送一辺倒になった。 どちらの放送局も料理のコーナーがあるのだが、RKBに突然顔の大きなおっさんが現れた。 どこかの料理学校の先生らしいが、このおっさんの博多弁が妙に耳障りだった。 お好み焼きを作った時だったと思うが、試食している女子アナに向かって、大きな声で「どうか? おいしかろうが!」である。 「おいしさの強要なんかするな。こんなおっさんの出る番組なんか見られんわい」、という感じだった。
その点、福岡放送の料理コーナーはそのへんにいる、おかみさんといった感じの人が先生をやっている。 この人は普段は標準語で話しているが、たまにうっかりして方言を使うこともある。 ある時、「最近の若い奥さん方は、さっちが○○を入れたがりますもんね」と言った。 司会者から「先生、『さっちが』は方言でしょ」と指摘され、笑われていた。 こういうのは好感が持てる。 テレビやラジオでの方言はたまに使うからいいのであって、一から十まで方言でやられると、わざとらしく感じられ、実に聞きづらいものである。
ローカルには、方言をウリにしているタレントがかなりいる。 しかし、その方言を聴くたびに「わざとらしい」という印象を受けてしまう。 以前、他の放送局に米良美一が出たことがある。 この人は宮崎出身である。 放送中、「九州に帰ってきたから」と言って、急に九州弁でしゃべり出した。 が、自然さがなかった。 無理矢理九州弁でしゃべるものだから、妙に力みを感じたものだった。
では、テレビやラジオで方言を使う人すべてがそうなのかといえば、そうでもない。 KBCに沢田幸二というアナウンサーがいるのだが、この人の方言は嫌みがない。 方言をギャグとして使っている。 それもサラッと流すから、自然に受け止められる。 このへんが、キャラクタータレントとしゃべりのプロとの差なのだろう。
さて、ローカルバラエティだが、その後福岡放送が時間枠を延ばし3時50分からのスタートとなった。 一方のRKBは、相変わらず4時55分からだった。 ところが、今回NHKの参入ということもあって、放送時間を1時間早めた。 それも福岡放送より早く、3時45分からのスタートとなった。 とはいうものの、放送時間は相変わらず1時間のままである。 今までこの時間帯はドラマの再放送をやっていた。 つまり、ドラマと入れ替えたわけだ。 NHKは2時間、福岡放送は今までどおり『プラス1』まで入れて3時間だ。 RKBは、放送時間が短い上に、あんな『おいしかろうが!』おっさんを出して、どう対抗しようというのだろうか。 ちなみに、新参のNHKはスタートした日と翌日に、氷川きよしをゲストで呼んでいた。 話にならん。
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