先月の19日、IP電話を受付開始と同時に申し込んだ。 NTTもADSLを申し込んだ時と違って対応が早く、確認電話から1週間もたたないうちにIP電話対応の機械が送ってきた。 さっそく機械を取り付け、プロバイダにIP電話サービスを申し込み、設定をすませた。
まず試しに自分の携帯に電話をかけ、ちゃんと繋がるかどうかを確かめた。 『プップップッ』音の後、一瞬沈黙した。 「大丈夫か?」と思っていると、聞き慣れた『ツー』音がしてきた。 着信音にしている『ひょっこりひょうたん島』が鳴り出した。 「おお、繋がった」 これで大丈夫である。 その日から、謳い文句どおり、日本全国どこにかけても3分8円、しかも同じサービスに加入している人にかける場合には無料、アメリカには1分2、5円という破格値の電話生活が始まった。
それから1週間がたった。 どうも、ADSLの速度が以前より落ちているような感じがする。 気になって速度調査してみると、何と速度が以前の半分以下に落ちているではないか。 まあ、半分に落ちたからといっても、ちゃんと繋がるのだし、以前のダイアルアップ時の速度に比べると数段に速いので、別に不自由はしない。 しかし、ブロードバンドのサイトの中には、『この速度では受け付けられません』というところもあるのだ。 そのため、視聴しているサイトの契約が無駄になってしまう。 LANケーブルを直接パソコンに繋げば、また元の速度に戻るのだが、その際電話回線も繋ぎ換えなくてはならない。 「さあ、今からブロードバンドを見るぞ」という時に、面倒な手作業をするというのもなんである。
「さて、どうしようか」と考えを巡らせた。 この状況を打開するためには、三つの方法が考えられる。 一つ目は、こんなサービスを止めて、また以前のマイライン・マイラインプラス生活に戻ることが考えられる。 しかし、将来いくらマイライン・マイラインプラスの通話料が安くなったとしても、電話代が無料ということにはならないだろう。 二つ目は、先に書いた『繋ぎ換え』という方法がある。 しかし、面倒である。 三つ目は、ADSLをやめて、Bフレッツに乗り換えることだ。 これだと、速度が半分になっても、ADSLよりははるかに速いだろう。 「これしかない!」と思ったぼくは、さっそくBフレッツを申し込んだ。
その2日後のこと。 NTTから携帯宛に電話が入った。 「Bフレッツにされるんですか?」 「はい」 「あのう、お宅は集合住宅ですよねえ…」 「そうですけど」 「そこに住んでる人は、みなさん光ファイバにすることを望んでるんでしょうか」 「知りません」 「そうですか…。で、そちらの管理組合のかたはどう言っておられるんですか」 「さあ」 「管理組合の了承がいることはご存じでしょ?」 「それは知ってますよ」 「掛け合ってないんですか」 「ええ。だって新聞にはNTTさんのほうで掛け合うって書いてたでしょう?」 「それはそうなんですけど…」 相手はいつまでも煮え切らない態度でいる。 少しイライラしてきたぼくが「じゃあ、いいです。有線やBBIQのほうに掛け合ってみますから」と言うと、慌てた彼は「管理組合にはこちらで交渉します」と答えた。 「じゃあ、お願いします」 「はい…。でも開通は5月くらいになりますよ」 「別にかまいません。光ファイバにしてくれるのなら」
なるほど、「NTTは集合住宅には冷たい」という噂どおりの応対だった。 しかし、約束したのだから、何とかしてもらわないと困る。 これで管理組合との交渉がまとまれば、充実したIP電話生活に加えて、長年の夢だった光ファイバ生活も始まるというわけだ。 この間の電話のことは水に流してやるから、とにかく頑張れ、NTT。
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