この2年間、仕事の日であろうが、休みの日であろうが、毎日毎日「今日は何を書こうか」と思っている。 もはやぼくには、それしかないといった感じである。 と言うより、病気である。
今日は休みだったが、相変わらずぼくは、いつもと同じように「今日は何を書こうか」と思っていた。 気が休まる暇がないのだ。 時間がたてばたつほど、この「何を書こうか」というのが強迫観念になってくる。 落ち着かない。 焦りだす。 頭の中はずっと、 今日は何を書こうか? 今日は何を書こうか? 今日は何を書こうか? である。
さて、今日はドコモショップに行ってきた。 FOMAの機種変更(FOMAの場合『買増し』と言うらしい)のためだ。 先月FOMAの契約をしたのだが、早くも機種変更のお知らせがあった。 新規の時も破格値で買ったのだが、今回の機種変更もかなり安く手に入った。 前回行った時は、お客が多く待たされた上、機種変更に手間取ったので、かなり時間がかかった。 そういうことがあったので、お客の少ない午前中を狙おうと、今日は早めに家を出ることにした。 読みがあたった。 着いてみるとお客は少ない。 それに、FOMAの手続きはムーバよりも簡単である。 あくまでも買増しであるから、機械をもらえば終わりなのだ。 端末情報を移し換える必要もない。 前の機種からFOMAカードを取り出して、新機種に装着すれば使えるようになる。 これくらいは自分でも出来る。 しかし、自分でやると多少面倒な作業が残っている。 電話帳等の、データのコピーである。 確かにデータコピーも自分でやろうと思えば出来ないことはないが、400件近くも電話帳に登録しているので、手動でやると大変な労力を要してしまう。 以前は電話番号だけだったが、最近はメールアドレスも入っているので、なおさらである。 しかも、ドコモショップに行く前から「今日は何を書こうか」と思っている病人だから、そんな時間は取れない。
そこで、ドコモの人に甘えることにした。 「すいません。データのコピーをしてください」 「ああ、コピーですね。いいですよ」 そこから歯車が狂い始めた。 コンピュータを使うので、データコピーは5分もかからない。 ところが、10分たっても、20分たっても出来ないのだ。 「しんたさん、すいませんが、ちょっとソフトの調子がおかしくて、もう少し時間を下さい」 単に早く帰りたかっただけで、特に用事はなかった。 ぼくは「いいですよ」と返事をした。 そこからまた10分、20分が経過した。 そして1時間が過ぎた頃、また「しんたさん」とお呼びがかかった。 「どうもだめみたいです」とのことだった。
午後2時に家に帰る。 それからずっとデータの入力をやっている。 新聞も読まず、テレビも見ず、ずっとそれに没頭している。 今午前1時を過ぎたところだが、まだやっている。 半分以上は使ってないので、別に全部入れる必要もないのだが、ぼくはこういうことをやる時は妥協しない、と言うより変にムキになる。 しかも、それをやりながら「今日は何を書こうか」と思っている。 それも、ムキになって思っている。 病気である。
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