毒入りストロベリィ/よゐ子
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カンキンニッキ■2001年07月10日(火)
晴れ
丸一日眠っていた彼が目を覚ましたのは午後になってからだった。良く効く薬だ。 身動ぎながら目を開けて、訝しげに周囲を見回して、手錠から伸びた鎖に愕然とする。 その表情の変化を俺はただ見守っていた。 『おはよう』と微笑みかける俺を怯えたような目で見る。 心なしか青白くなった頬に手を伸ばすと、思い切りその手を噛まれた。 血の滲む歯型に口づけて、とりあえずはその場を離れる。 食事を与えたが摂ろうとしない。 時間はまだたっぷりあるから、今日はこのくらいにしておこう。
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