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■ サラリーマンのキーホルダー
その人は、ガチャガチャしている人のようでありました。 メッシュの厚みある素材でできた黒くて大きなリックサック(潰しても蹴っても、ちっともカタチを変えないような強固なもの)、ズボンの後ろポケットに扇子、横のポケットには携帯電話(大きな画面が表に出ていて、その画面をぐるりと回して使うタイプのもの)を家の電話の線(うずまきになっているグルグルしたアレ)でつなぎ、胸元には社員証、その紐に赤ペンやら青ペン、黒ペン、そしてマーカーの類をいくつもぶらさげ、彼は私のとなりに座ったのであります。 見たところ、30前後の働き盛り。エンジニアか、なにかの制作者か。持っているものは、すべて少し高価そうでありますが、どうしてこんなにもガチャガチャしているものか。現に彼が動くたびに、ガチャガチャと装備したなにがしかが音をたて、後、はずれる、落とす、拾う、また落とす、と、行動までもがガチャガチャしていました。 子どもの頃、ランドセルにお守りをはじめ、でかすぎる目的のわからない鈴や観光地のキーホルダーの類、ぬいぐるみ、ペン、給食袋等を装着したものですが、あれによく似ています。起こりうる全てを想定しすぎて、機能からほど遠くなっているのです。 矛盾をはらんだサラリーマンのキーホルダー。こんな人もめずらしい。とりあえず、社員証とペンくらいは目的地についてからの装備ではいいのではないか?落としたキーホルダーを拾う彼の後ろ姿に、そう語りかけた次第であります。
2004年10月08日(金)
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