スナックおのれ
毛。



 コピーライターの生命線。

 会社の役員に「野望はいらない」と言われた。スペック整理だけすればいい、と言われた。
 私は、出戻り娘である。コピーライターという職業を1度やめて、また同じコピーライターと言う仕事をしている。やめていた期間、もう一生やるまい、と思っていたし、自分は書くべき人間ではないと考えた。
 その間、私が探していたことは、生活する術。仕事に情熱をかけずに、いかに定時で帰って、楽しく生活するか、それを考えた。毎日、仕事に面白さを求めず、ロボットと化して、適当にやり過ごす術を模索した。けれど、なんだか楽しくなくて、土日、家に引きこもったりした。
 黙々とたった一人で仕事をしていく中、私は仕事のことを考えた。私にとって、みんなにとって仕事ってなんだい?と何度も問答し、自分の行動を振り返りながら、言われた言葉を噛みしめて、考えた。
 そうしているうちに、ある日、突如、わかったのだ。私、コピーライターって職業好きなのねって気づいた。そして、戻ろうと思った。けれど、その時、私は自分にノルマを課すことにした。まずひとつ、次にもう嫌だと思たったら、一生コピーライターには戻らない。そして、賞をとる。
 野望を持つことが、今の私にとってコピーライターという職業の生命線となっている。ガツガツしなくなったら私のコピーライターは息絶える。常にガツガツしていろと自分に言い聞かせている。けれど、それが今、会社にとって邪魔になっているらしい。ああしてください、こうしてくださいと一切口にせず、ただ黙々と業務をこなす人間を会社は求めているらしい。

2004年08月06日(金)
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