スナックおのれ
毛。



 食べ物、転機。

 かつて、私がまだ凍み豆腐が好きだった時。その旨、母リエコに伝えると、お弁当に毎日それが入ってきた。おかずが毎日かわる中で、凍み豆腐だけがいつも定位置に鎮座している。最初の二年間はおいしくたべていたけれど、いい加減、3年目にもなると、あまり気乗りがしない。染みているダシを一気に口の中で吸い取って、パサパサになったところをごくりと飲み込むとか、そんな楽しみだった食べ方すらおっくうになった。
 私は思う。リエコに好きなものを主張するのは大変危険だ。もちろん好きなものはたらふく食べたい。けれど、量が過ぎれば良いものではない。むしろ、好きな食べ物特有の特別感がなくなって、楽しみがひとつ減ってしまうわけで。
 そんなわけで、私は、母リエコに食べ物に関する主張を控えてきた。ところが、ここにきて友人が「とうもろこしとたまねぎが好き」とリエコに主張。リエコはさっそく乗り気な構え。今週日曜日には、その人のためにとうもろこしが十数本やってくる。
 嗚呼、親愛なる友人よ、気をつけたまえ。好きなものにも限度がある。

2004年07月29日(木)
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