スナックおのれ
毛。



 ジョゼと虎と魚たち〜感想・本編〜

明るく振りかえられるようになると、「出来事」は「思い出」に変わるんだと思います。どんなに辛い「出来事」でも「思い出」に変わると、とてもきれいです。当時、自分が直面していた辛さや悩みを陰影に、「思い出」は、目が潰れるくらいにきれいに輝きます。けれど、人は「思い出」を思う時、その影から目を逸らしているんじゃないでしょうか。そうするのは、きっと「出来事」を「思い出」に変えた術がはたらくから。「出来事」を「思い出」に変えるための時間は、影を見ないようにする術を覚える時間なんだと私は思います。
私は“ジョゼと虎と魚たち”を見終わった後、衝撃が強すぎて、最初、なんて言って良いのかわかりませんでした。話の光となる部分が、あんなにまぶしかったのも始めてだったし、同時に陰影の濃さも感じることができたから。もちろん映画だから、少し現実と離れている設定とか流れとかあります。ですが、映画を包んでいる光と影は、私のまわりや「思い出」にもたくさんあることだと思います。
「思い出」が自分を支えてくれるようになる時間、明るく振りかえられるようになるための術、そこになんとなくある影のこと。ひいては、「青春はうつくしい」とか、「恋愛はすばらしい」とか常識のようにいわれることについて。わかりやすく、克明に丁寧に“ジョゼと虎と魚たち”は記してくれた映画でした。

※これから、観に行かれる方へ。
是非、パンフレットにあるCUT編集長:宮嵜広司氏の批評を読んでください。



2004年01月25日(日)
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