スナックおのれ
毛。



 イメージに、カラダが、ついていかない。・・・若干。

 ピシャリ。鞭ひとつで、ゾウが片足を上げ、犬が炎の環をくぐる。次のひとつでは、舞台袖からライオンがやってきて、美女と共演。最後の鞭と号令で、みなが揃ってご挨拶。団長は、動物が言うことを聞かなければ、次々と容赦なしに鞭をくれる。そんな光景をほうふつとさせたのが、エレカシのライヴでした。
 宮本氏が次々とメンバー三人にダメだしをし、時に逆上、ドラムセットをぐちゃぐちゃにしたり、マイクスタンドをずるずると引きずったり、はっ倒したり。なんだか、ミュージシャンと言うよりは、詩人。まともというよりは、不完全きわまりない。ライヴ自体も、まあるい演舞場も手伝って、ライヴと言うよりリサイタル。
 エレカシのライヴは、即興劇に似ています。1分先にどんなアレンジを繰り広げるかわからない宮本浩次が原因です。メンバーは翻弄され、いつのまにか歌と音楽との間に溝が生まれます。まるで中学生の演奏のようにリズムがずれて、また宮本氏が反応する。時に体全体で怒り、時に新たなアレンジを加えて、その時々の感情を次々と表していきます。私は、腹を抱えて笑いながら、宮本浩次の、ともすれば狂人となる奇才ぶりを見せつけられたような気分になりました。でも、どうやら、それは私だけではないようです。おそらく何度も脚を運んでいるであろう会場の方々。最初は、見守るように観察していたけれど、いつのまにか体をあやしく動かし始めました。まるで宮本団長のもと、みなで繰り広げられるサーカス。体全体で指揮をし、どこにいくのかわからない不安と甘美な歓びをはらみながら、会場は不思議な空気へと変わっていきます。普通のライヴを期待していったのに、不思議なものを見せてくれたエレカシ リサイタルIN新宿コマ劇場でした。


2004年01月13日(火)
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