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■ 片思いごっこ。
皆さんは、片思いごっこという遊びをご存知であろうか?ご存知ない。それは大変残念である。しかし、それも仕方がない。片思いごっことは、私と友人間で使われる名称で、本当の名前などたぶん存在しないゲームなのだ。 私の考えでは、恋愛の本質は成就するかどうかではなく、その過程にある。たとえば、片思いの相手に話し掛けられるのをあてどもなく待つ、はずんでいながらも沈んでいく気持ち。たとえば、片思いの人を思い浮かべる時の、安らぎとはじらい。10代の頃のようなあの恋愛の気恥ずかしさ。片思いごっこでは、そんな過程の部分だけを抽出し、本気で擬似片思い体験をしようというゲームである。 材料は簡単。自分と片思いの相手。自分には彼氏彼女がいてもいなくても構わない。片思いの相手は、素直にコイツいいね、というのを選ぶのがコツだ。これだけじゃ、普通の恋愛となんら変わりないじゃないかと思われるだろう。しかし、片思いごっこでは、相手の悪いところはなるたけ見ない。片思いの特徴は、相手と付き合わないことによる妄想パワーにある。だから、悪いところは伏せておこう。相手を自分の都合よく仕立て上げ、片思いの雰囲気を味わってしまおう。あとのやり方は、いつもの恋愛とまったくいっしょ。相手と話をするチャンスを多く作ろうと、努力してみたり、偶然を装って一緒に帰ってみたり、お洒落に気を使ったり。でも、たったこれだけで毎日の生活に張り合いが出て、ウキウキした気分になるから、まったく不思議なものだと私は思う。 ここで、片思いごっこの約束事。本気は、タブーである。本気になれば、それはすでに「ごっこ」の域から外れてしまう。絶対に心変わりの出来ないせつなさや最後に必ず来る別れが用意されているからこそ、片思いごっこには10代のような恋愛の楽しさがあると私は思う。
2003年07月02日(水)
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