スナックおのれ
毛。



 美容院での意思疎通。

美容院での意思疎通がうまくいかない。髪の毛に関する運がないとかではなくて、美容師に注文している自分自身が、なんだか「美容に気をつかってまーす!」という感じで、格好悪くてしようがない。そもそも、「美容院」に入店している自分、というものがとても格好悪く感じてしまう。だから、入店から気を使い、例えば、なるたけ人通りの少ない時に、誰も見てないことを確認して、そっと入る。まわりの人が、私の不審ぶりを見たら、女性専用のヘルスにでも入店しているのではないかと勘違いなさるかもしれない。もともと、日本人は隠れた努力を重んじるところがあったと私は思う。だから、夏は蛍の光で、冬は窓から見える雪明りで勉強するなどという歌が、今も唱歌として卒業式で歌われるのではないか。しかも、相手は「美容」ときている。見た目を磨くことは、もっとも注意を払って他人に気づかれぬよう、こっそりとやり、周りを出しぬくのが美徳なのではないか?ここまで言ってしまうと、読んでいる方々は、どのツラ下げてそんなこといっとるんじゃ、このあま。などという風に思われるかもしれない。
今日、私は「美容院」にて、いけしゃあしゃあしゃあと
「ツィギーみたいにして下さい」
と、のたまい、ツジアヤノに仕立て上げられた。メガネの縁が元々、赤いというところもあるだろう。このままでは「ひのあたる〜♪」なんて、ウクレレ片手にジブリの広告塔としてしか生きる道が残っていない。さすればもう、細心の注意を払い、日々、努力し、このツジアヤノカットから抜け出すしか、道はのこっていないのだ。


2002年09月01日(日)
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