2025年11月19日(水)
先日、長年お世話になっている作曲家の折倉俊則さんの活動20周年記念ライブがありました。めでたい🎉
そちらに少しだけご協力していたので、その話をしたいと思います。
私はサウンドノベルゲーム『送電塔のミメイ』ED曲『静かな空』のライブ演奏にて、マレーシアの自宅で録音したコーラス音源を提供する形でご協力させていただきました。
メインボーカルははなさんがご担当されました。
ありがとうございます☺️
『静かな空』は『送電塔のミメイ』の2007年公開時だけでなく、その後も動画サイトのプレイ動画などを通じて多くの方の耳に届いた楽曲です。ありがたや…。
私にとっても思い入れが強く、原曲リリースから数年後に折倉さんにお願いして歌い直した再収録版のシングルを出していただいたり、その後も折倉さんの主催ライブでも何度も歌わせていただいたり……と付き合いの長い曲で、私の活動を代表する曲のひとつ、という認識です。
ただなにぶん20年近く前の楽曲ですし、収録CDだって原曲版再収録版どちらも入手困難になっていたはずで(同人音楽あるある)、近年の折倉さんのご活躍からファンになった方は恐らく初めて耳にするのでは。知る人ぞ知る、くらいの曲なのでは……という中、20周年の節目を飾るめでたいイベントで披露する1曲として折倉さん自身が選んでくださったとのことで、大変有り難いことです。
……というかご連絡いただいた直後は「本当に良いの?」みたいな気分で、折倉さんからいただいたメールを3回くらい読み直しました。
折倉さんとはお互い活動初期の頃からのお付き合いだけど、もう10年以上マイペースを極めて今現在も活動休止中の私とは違って、折倉さんは同人でも商業でもご活躍中の方。近年はTVアニメ作品のお仕事もされています。作ってきた曲数も、関わった作品数も桁違いなわけです。
その活動を代表する曲の中に私の歌唱曲が含まれているですって……!? という驚きが……。
繰り返しますが大変有り難いことです!!
ただ、折倉さんが周年ライブの企画を立てられた時点で私は既にマレーシア在住だったため、私自身が日本で開催されるライブのステージに立つことは出来ません。
ですので選曲の打診のご連絡をいただいた時点でメインボーカルは他の歌い手さんによるカバー歌唱になる前提というお話でした。
それはもう仕方がないよね(´・ω・`)
……という気持ちも、カバーボーカリストとして結月そらさんのお名前を伺ったことで、わくわくと安心に変わりました。
結月そらさん――そらちゃんは、折倉さんの活動初期のユニットILCを代表する歌い手さんの一人です。
ILC楽曲の世界観を代表する歌い手さん。かつ、ご自身の制作でも独自の世界観を表現していたそらちゃん。
私が個人的な事情で音楽界隈の方々と長く没交渉だったため、彼女とも連絡を取り合えてはいなかったのですが、彼女が『静かな空』をカバーされるというお話は私の中でストンと腑に落ちました。
カバー歌唱であっても彼女の解釈でこの曲を表現してもらえそうだな、と。
なので、カバー歌唱については折倉さんにもそらちゃんにも「安心してお任せします」とお伝えしています。
その後、残念ながらそらちゃんはご体調の都合で降板となったため、本番のステージでははなさんにカバー歌唱をご担当いただく運びとなりました。ご対応いただき感謝です!🙇♀️💦
そらちゃんにとっても本番の迫る中辛い決断だったと思います。
でも体調のことってどんなに気を付けてもどうにもならないことって誰しもに有り得ることだし、無理を押して今後の生活や活動に影響が出たらもっと後悔することになるかも知れない。
だから時には体調を優先してお休みすることも、長く活動を続けていく上でとても大事なことです。
また元気なそらちゃんの歌声を聞けますように。ご快復をお祈りします。
カバー歌唱がはなさんに引き継がれることは事前に折倉さんから共有いただけており、私からは「原曲のことは気にせず歌ってほしい」旨お返事しております。
活動歴の長い歌い手さんにあえて伝えるようなことでもないのですが、でも作曲者主催のライブで原曲のボーカリストがこの時のために新規収録しているコーラスが重なった状態でのカバーって一般的なカバー歌唱と異なり特殊な状況だなと思って。しかも急な代役ときた。
きっとそういった面でのフォローは折倉さんサイドからもされているはずとは思ったのですが、短い準備期間の中で少しでもコミュニケーションの負担を緩和できればいいな、と。
(こういうのを老婆心と言います)(杞憂民とも呼びます)
また、はなさんとはこれまでに参加作品などでご一緒したことがなくお互い接点のない歌い手さんだったため、そらちゃんにカバーしてもらう安心感とはまた異なる、未知数の期待がありました。
はなさんのボーカルに私のコーラスが重なったら、どんな雰囲気になるのだろう?
気になる、とても気になる……と楽しみな気持ちで、お任せする気持ちでした。
そして迎えた本番当日、私はSNSでご来場のお客様の呟きから現地の様子を想像することしか出来ていないのですが、いかがでしたか?
ライブの感想で『静かな空』に触れられている方もいらして、私はひとりでニコニコしています☺️
様々な出来事を経てあの一夜のために作り上げられたスペシャルカバー版、原曲を知ってらっしゃる方にも、そうでない方にも、記憶に挟んだ栞みたいなひとときになっていると嬉しいです。
そして私も想像の栞を挟みたいのでよろしければSNSでイベントタグ #折倉20th をつけて感想を呟いてください(笑)
もしかしたら、私の歌った原曲を大事に思っていてくださる方もあの日の会場にはいらしたかも知れません。
知れません、というか、実際にそんなツイートを確認しております。
発表から今まで長く時間の経過した作品をずっと大事に思ってくれて、ありがとうありがとう……。
そんな方にも、今回のスペシャルカバーを特別なものとして記憶の栞を挟んでいただけたらなと思います。
だってここまで書いてきた通り、今回のカバーに私は直接的には関われていないけれど、舞台裏の隅っこくらいのとこで支えてきたつもりでいるので。
私もお手伝いしたステージ、良かったでしょ〜〜〜!
でも今からでもリメイク版の音源を聞ける正規の手段を増やして欲しいですね!(笑)
コーラスの収録に際しては、今回20周年イベントだし、原曲公開からも長い時を経ての記念バージョンということで、ミメイの物語やこの曲に関わった方や当時聞いてくれてた方それぞれの年月を思って歌わせていただきました。
様々なことが起こっても歩き続けて今ここにいるからこそ感じられる温かさや包み込むような力強さ、そんなものを表現したつもりです。
原曲をご存知の方になんとなくでも伝わってると良いな。
その他、実はそらちゃんの降板が決まった後で急遽コーラスの追加収録が必要になったりしていた関係で、本番で使われたコーラスにはそらちゃんに寄り添う気持ちで歌ったものとはなさんを支えたい気持ちで歌ったテイクが混在しています。
これは完全に自己満足だけど、実はそんな気持ちもあのステージには混ざっていたのです😌
今回のコーラス収録を振り返ると、とりあえず挑戦してみよう! の精神でした。
私の現在の住環境は防音的な意味で難があるのと、日本で宅録していたときほどの機材環境を用意することが出来ません。
なので折倉さんからコーラス宅録の打診をいただいた際、音質に難がある可能性を伝えた上でそれでもやってみたいからやらせてください(使えない音質になっていた場合はリメイク版のコーラスを使ってください)という条件で、お引き請けしました。
こういった形で使用されるコーラスのご依頼は初めてだったのですが、ノイズ的に問題なさそうな音源を用意できたとしても防音のしっかりした環境で録ったものではないため、それが大きな会場でバンドの生演奏と重ねてみたときにも問題なく使えるものかどうか私の環境では判断できません。
折倉さんの環境ならわかるかもだけど、実際リハの環境で試してみるまでわからない部分もあるのではないかなあ……。
かなり早い段階からコーラスの準備はしていたのですが、私や折倉さんからコーラス参加も含めての正式な告知が遅くなったのは、そういった事情もあってのこととお考えください。
それ以外にも、最後の「lalala〜」のコーラスはカバーの方に歌っていただくか、終始コーラス音源のみにするか、リハが始まった後でボーカリストさん交えて調整しないと決められないのではないかなあという懸念があり、折倉さんと相談の上
「必要そうなテイクは全部録っておくので現場でいい感じに取捨選択して調整してくださーい!」
と丸投げした部分があったりするので、私は当日のステージであの部分がどうなったのか、把握していません。
なので会場で実際に耳に出来たお客様が本当に羨ましい……。
などと言っていたら、折倉さんから後ほど記録素材を確認させていただけることになりました。わーいわーい🙌 楽しみです!
改めまして、今回のライブに参加された皆さん、お疲れ様でした。
そして折倉さん、活動20周年おめでとうございます。
今後25周年、30周年、40周年と末永くご活躍されることを期待しております。
今回は海の向こうからお手伝いするという貴重な経験をさせてくださり、ありがとうございました。
間接的なお手伝いだけなのに振り返りがものすごい長文になりましたが、今回のライブは参加できなくてもこれくらい楽しみにしていたんだよーという雑記でした。
〜以下、完全なる余談〜
今回のコーラス、マイクを通して歌を録音するという活動から長らく離れていたものですから何もかも久しぶりの作業でした。
Cubaseのライセンス確認っていつの間にかドングルを使わない形になっていたんですね……!?
私は元々自宅が狭い関係でデスクトップPCを導入できずノートPCで宅録をしていて、そのノートをそのままマレーシアに持ち込んでいたため救われました。危なかった。別のPCだったらDAW買い直しだった……。
それから、日々の生活で気ままに歌い続けてはいるものの、お金を支払って聞きに来るお客様にお聴かせする音源となると半端な歌はお出しできないので、久々に毎日の自主ボイトレを再開したりしていました。
そうしましたら、ボイトレの先生からレッスンを受けていた頃には感覚的によくわからなかった発声練習がどこに効果があるのかわかってきて、これまで録音中にたびたび悩まされていた喉のトラブルがどう調整したら改善しやすいのか掴めてきて驚きました。
あの時のボイトレはこのためにあったのか、エウレーカ! みたいな。
ボイトレの成果が10年近くの時を経て実を結ぶなんてことがあるんですね……。
あと、ここ5年ほど健康のために筋トレやストレッチを日々の習慣に取り入れているのですが、広背筋のストレッチをした後は苦手なリップロールがスムーズに出来ることがわかりました。
ストレッチは大事ってよく言われるけれど、これまでは収録前にストレッチをすると良いと言われるからやってるもののそこまで効果があるのだろうかみたいな感覚でいました。つまりはこういうことだったのか。もっと早く体得したかった。
毎日のストレッチ習慣の他にも適度な運動と睡眠と喉に気を遣った食生活、日本にいた頃は忙しかったりして意欲だけはありつつお座なりにしていたけれど、実践すればするほどこれら全て良い歌声に繋がることも、知識だけでなく実感として納得することができました。
筋肉は全てを解決するみたいなノリだけど、身体は何をするにも資本だったのだ……。
運動をしてもしてもなかなか筋肉がつかずモチベの上がらない虚弱体質を地で行っていた頃にはわからない感覚でした。近年生活にプロテインを取り入れ運動した分筋肉がつくようになってきたので、ようやくわかりました。
歌をうたう人ですと名乗り始めてから20年以上経ってからこんなことを言うのも恥ずかしいのですが、生活環境や時間の使い方や心の持ち方がガラッと変わった関係で気付けたことが多く初心に返れた気持ちで、今回歌を録音するという作業が本当に楽しかったです。
これまでだって楽しかったのだけど、思うように歌えないときのもどかしさが減って、出来ることの自由度が何段階か上がった気がします。
環境的な都合で歌関係のご依頼をお請けできないのは相変わらずですし、コーラス収録に身を入れている間生活に必要なマレー語や英語の勉強を疎かにしてしまったので今後はまた語学中心の生活に戻りますが、今回学んだことを後々また活かしていきたいですねー!