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斜めうえ行く「オクノ総研 WEBLOG」
by オクノ総研
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■どこがどうCSRなのか、と小一時間問い詰めたい
企業の社会的責任(CSR)がブーム、ということで短期的な利益にしか興味のない外資系企業である僕の所属する会社も、ようやく重い腰を上げた。

その@
スマトラ島の地震の復興事業を見学しにいくツアー
そのA
ボランティアでCSRについて考えるサークル

・・・。

その@
スマトラ島の地震の復興事業を見学しにいくツアー
これは、ただの旅行ツアーである。
現地で何かをするわけではない。
ただ、見学して回るだけ。
旅行会社が企画したツアー。
当然ながら自腹で、旅行の斡旋のみ。
災害地に社員が観光に行く事を斡旋することがCSRなのらしい。

そのA
ボランティアでCSRについて考えるサークル
CSRに関して考えるサークルの募集があった。
当ったり前だけれど、業務とは無関係。
コンサルタントは一日16時間労働が基本なのだけれど、それにプラスして活動可能な人を募集、とある。
本業は、本業としてキチンとやって、それに加えてボランティアをできる人を募集。
会社からの補助とか、本業の業務を減らしてボランティアに割り振る、といった配慮はなし。
本業は、本業として死ぬほど働いてください、それ以上にボランティアの仕事もやりたいマゾヒストは、ご参集ください、とのこと。

これらのどこが、CSRなのだ、と小一時間問い詰めたい。
会社としては、一円足りとも出費する気はなく、自腹でお金を払って、更に身を削るボランティア精神のある社員を募集します、と。
16時間働いている社員のどこに、プラスアルファでボランティア活動に割ける時間があるのだ、と。

おちょくっとんのか、と。

CSRは、「企業の社会的責任」であって、「社員の犠牲的責任」ではない。
会社としてはノーリスクで、一円足りとも出費せず、社員の犠牲的精神でCSR。
これが社会貢献なのらしい。

勘違いも甚だしい。

コンサルティングファームだったら、コンサルタントとしての能力を生かして社会に貢献できる事がたくさんあるだろう。

かつて、僕は政府の委員会に参画していた。。
政府の政策委員会はボランティア活動である。
その時、アンタらは言ったよな。

「カネにならない事に時間を使うな」

僕の意識は、社会貢献だった。
僕は、社会のために徹夜しているんだ、と思えば、身体がボロボロになっても、気合いで何とかなっていた(その後、激務で自律神経失調になり、マトモに歩けなくなり、転倒、骨折してドクターストップがかかった)。
が、会社としては、儲からない事は中止せよ、と。
そのときの僕の無念さは計り知れない。

コンサルタントだったら、コンサルタントとしての社会貢献のしかたがあるだろう。
スマトラ島に「観光」に行く事が社会貢献なのか、と。
CSRに関して考えることが、社会貢献なのか、と。

コンサルタントとして、社会に貢献する方法はいくらでもある。
ただの労働力として、お金を寄付することが、コンサルタントにとっての有効な社会貢献だとは思わない。
自分自身の持つ能力を生かしてこその社会貢献だ。
コンサルタントの能力を活用して、社会に貢献できる機会はいくらでもある。

「弊社は企業の社会的責任を果たす事に力を入れていきます」って、笑ってしまいます。
というか、怒りしかない。
強い怒りをおぼえる。

文句があるなら、直接、僕に言ってこい。
受けて立つ。
12月08日(木)
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